入院中の息子(当時9カ月)が死亡したのは総合水沢病院(奥州市水沢区)が適切に処置しなかったためとして、同市江刺区の母親が病院を相手取り2818万円の損害賠償を求め盛岡地裁に起こした民事訴訟が19日までに和解した。病院を運営する市は母親に300万円を支払う。
訴えなどによると、乳児は99年12月にはしかで同病院に入院したが6日後に病室で呼吸停止状態であるのを母親が発見。病院は気管内挿管をしたが間もなく死亡した。
母親は04年10月に「死因ははしかによる喉頭(こうとう)炎が原因による窒息死で、窒息の可能性があったにもかかわらず常時監視など適切な措置を取らなかった」などと盛岡地裁に提訴。一方病院側は「死因は喉頭炎による窒息死と断定できないし窒息死の可能性は予見不可能」などと主張していた。
和解について病院の岩渕秀夫事務局長は「双方の主張が平行線をたどる中、裁判所による和解勧告があった。紛争を早く解決すべきだと考えた」と話した。【石川宏】
毎日新聞 2007年11月20日