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【石川】

5年で単年度黒字を 市立病院経営改善会議 市長に基本計画答申

2007年11月20日

地域連携を強め、市民の関心が高い医療を行うべきだとの答申を受けた金沢市立病院=同市平和町で

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 金沢市立病院(同市平和町)の経営について検討してきた経営改善会議は十九日、本年度から五年間で単年度収支を黒字にするための基本計画を示した答申書を山出保市長に提出した。地域と連携することで市立病院への紹介数を増やし、メタボリックシンドロームセンター(仮称)など市民の関心が高い医療を行うことで外来や入院患者増を目指す。そのための目標数値も明記した。

 二〇一一年度から安定して単年度黒字が続くためには、一般病床の利用率が90%を達成することが必要とした。そのためには、地域の開業医や診療所などと連携し、市立病院への紹介を増やすべきだとした。

 さらに病院にメタボセンターをはじめ呼吸器・睡眠障害センター、消化器センターを新設。診療科の枠を超えて総合的に診断し、治療を行うことで市民のニーズに応えるとしている。

 このほか、▽経費削減のためのコスト管理▽待ち時間の短縮▽経営企画室の設置▽キャリアアップ制度の充実▽救急医療・感染症医療の強化−などを挙げている。

山出市長(左)に答申書を手渡す経営改善会議の金子委員長=金沢市役所で

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 市立病院は十八診療科あり、一般病床数は二百七十二床。八年連続で単年度収支の赤字が続き、〇六年度末の累積赤字は十三億円余り。一般病床の利用率もここ数年、70%台と低かった。

 このため市は経営改善会議を設け、委員長の金子周一・金沢大医学部長ら七人が二月から四回、検討を重ねてきた。

 この日、市役所を訪れた金子委員長は答申書を山出市長に手渡し、「経営状態はそれほど悪くない。いくつかのことを直せば(立て直しは)いけると思います」と述べた。病院によると、基本計画について、既に一部を実施しており、本年度上半期で、一般病床の利用率は約85%と回復している。 (沢田一朗)

 

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