なみなみ通信Vol.28 海況情報本年度の冬は、12月に寒波が訪れたため、例年になく冷え込みました。水温は、筑前海沖合部、沿岸部では1、2月、有明海では12〜3月が、豊前海では12、1月が低めで推移しました。(筑前海は時化のため12月は欠測) 糸島地区のカキ小屋、人気上昇中 糸島地区では、近年、カキ養殖業が盛んになってきており、週末ごとに、カキ小屋はたいへん賑わっています。カキ小屋のシーズンは、だいたい11月から5月の上旬頃までで、特に、12月から2月の週末には多数が訪れ満員になるほどです。カキの食べ方は、炭火による焼きガキがメインですが、ほかにもカキ飯等のサイドメニューもあります。福岡都市圏から車で1時間前後で、ドライブがてらのカキ三昧を満喫できるため、年々、人気は上昇しています。
福岡湾のワカメ養殖順調です
有明ノリ養殖経過と生産結果1.養殖経過(1)秋芽生産期 10月6日に始まった採苗は、高水温のため、全体的に芽付きが薄い状態でのスタートとなりま した。また、10月下旬には栄養塩の減少による色落ちと当初は苦難の連続でした。しかし、11月上旬の降雨の後は色落ちも回復し、天候にも恵まれて順調な生産が行われました。 (2)冷凍生産期 冷凍網出庫は12月11日から始まり14日には作業を終えました。今年の冷凍網は入庫時に降雨による乾燥不足の網も見られ心配されましたが、張り込まれた冷凍網の状態はおおむね良好であり、病気を起こす細菌類もほとんど見られませんでした。 今年度の冷凍網生産期の大きな特徴として、低水温があげられます。12月上旬の寒波以降、水温が平年と比較して1〜4℃低い日が1月上旬まで続きました。この影響で生産量は伸びなかったものの、3〜4回摘みまで味のある柔らかいノリが収穫できました。次にノリの「色落ち」の原因となる植物プランクトンの発生が少なかったことです。12月中旬から1月上旬にかけて一時的に植物プランクトンが増加し、沖よりの漁場で軽度の「色落ち」が見られました 。しかし、その後は植物プランクトンが増加しなかったことに加えて、漁期の後半は比較的降雨が多く栄養塩が十分量で推移したことから、冷凍生産期は順調に生産が続けられ、8〜10回の摘採を行うことができました。 2.生産結果 平成17年度の総生産は枚数14.8億枚、金額152.4億円、平均単価10.3円と、枚数・金額いずれも平年を上回る好成績をあげることができました。 |
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(有明海研究所 のり養殖課) |
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有明海のアサリ資源保護について 有明海福岡県地先では、平成16年秋発生群と考えられるアサリが多く発生しており、昨年の10月に続き18年2月に調査を行ったところ、アサリの生残は順調でした。ただ、成長が遅く、現在設定しているアサリ保護区の採捕禁止期間(H17.12.15〜H18.3.31)が18年4月30日まで1ヶ月延長されました。 |
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(有明海研究所 資源増殖課) |
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海水産ミジンコの大量培養にメド 現在、栽培漁業で放流される人工種苗(クルマエビやアユなど)の大量生産では、ふ化間もない頃に与える初期餌料にアルテミアというエビの一種を多く使用しています。このアルテミアは海外の塩湖で天然に生息しているため、生産量が変動するなどの問題があり、安定して人工種苗を生産するためにはアルテミアに代わる餌料の開発が重要な課題の一つとなっています。 |
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収穫した海水産ミジンコ |
海水産ミジンコ(D.celebensis ) |
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(内水面研究所) |
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