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原発の監視強化へ 中越沖教訓に保安院

2007年11月14日11時51分

 経済産業省原子力安全・保安院は、新潟県中越沖地震で柏崎刈羽原発が被災したことを教訓に、全国の原発の原子炉の運転状況をいつでも監視できるよう、態勢を整備することにした。地震発生時に、新潟県などへ十分な情報提供ができなかったことを踏まえた。14日開かれる総合資源エネルギー調査会の作業部会で報告する。

 現在、各発電所には原子炉の運転状況を一元的に把握する「緊急時対応情報表示システム」(SPDS)、さらにこれらの情報を遠隔地で表示する「緊急時対策支援システム」(ERSS)が東京・霞が関の原子力安全・保安院や全国各地の緊急事態応急対策拠点施設(オフサイトセンター)にある。原子炉の圧力や温度、核分裂の状態や、発電所周囲の放射能測定データを監視できる。

 だが中越沖地震では、柏崎刈羽原発のSPDSが非常用電源に接続されていなかったために、停電で作動しなかった。また、ERSSはこれまで、放射能漏れといった原子力災害時にしか使われておらず、地震発生の際には活用されてこなかった。

 このため保安院では、震度6弱以上の地震が発生した場合に、ERSSをいつでも作動できる状態にして、原子炉の運転データを収集。地震発生時に、原発のある地元自治体に情報を提供することにした。

 また、ERSSは一度に1基の運転状況を表示する仕組みだが、中越沖地震では柏崎刈羽原発で7基が被災している。今後は、複数の運転データを同時にみられるように、保安院にあるシステムを改良する。

 SPDSも、緊急時に活用できるよう、電力会社に対策の検討を指示する。

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