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磁石で臓器ずらす手法考案 秋田大、内視鏡手術で使用
治療が必要な臓器に磁石を取り付け、この磁石を体外の別の磁石で引っ張ったりずらすことで、臓器を内視鏡手術で治療しやすい位置に動かす手法を秋田大医学部消化器外科の久米真助教が考案した。
内視鏡手術の場合、内視鏡自体が挿入位置で邪魔になり、治療しづらいケースがあるが、この方法を取り入れると、より安全、確実に手術できるという。
秋田大の倫理委員会は臨床への応用を承認済みで、患者の同意が得られれば胆のう摘出や大腸切除などの内視鏡手術で使う予定。
久米助教によると、内視鏡を入れるため腹部に開けた穴からワイヤ付き磁石を挿入し、患部のある臓器にワイヤで磁石を固定する。この磁石と、体の表面にある別の磁石を腹部をはさんでくっつけることで、体表面の磁石を動かすと、それに応じて臓器も動き、手術がやりやすい位置に固定できるという仕組みだ。
久米助教は20日、仙台市の日本内視鏡外科学会総会で発表、「安全性に問題はなく、コストも安い。内視鏡に慣れた医師なら習熟も簡単だ」と話している。