「まことちゃん」などの作品で知られる漫画家、楳図かずおさんが東京都武蔵野市に建築中の自宅をめぐり、周辺住民二人が、外壁を赤白の横じま模様にしないよう求めた訴訟の第一回口頭弁論が十四日、東京地裁(畠山稔裁判長)であり、楳図さん側は「住民による主観的、個人的価値観の押し付け。景観利益は侵害しない」として、争う姿勢を示した。
外壁の完成予定は十二月八日と明らかにした。
訴状によると、楳図さん宅は三月に着工され、外壁が楳図さんのトレードマークの赤白の横じまになる予定。屋根には小さな煙突状の塔が置かれ、作品のキャラクター「マッチョメマン」の目をイメージした二つの丸窓ができるという。
住民側は「周囲の住宅と著しく調和を欠き、景観を大きく破壊する」と主張。窓から見下ろされることから「プライバシーの侵害」として、窓の目隠しを求めている。
住民は今年七月、東京地裁に工事差し止めの仮処分を申し立てたが、「特別な景観を有する地域ではなく、法律上保護に値する景観利益は認められない」と却下されたため、提訴した。
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