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【ゆうゆうLife】介護報酬ヘルパーへの配分(1) 深刻な人手不足 (1/3ページ)
このニュースのトピックス:団塊の世代
■労働に見合う待遇を
景気回復などで雇用情勢が改善されるなか、介護業界では、人手不足が深刻化しています。「財源不足以前に、人手不足で介護保険サービスがなくなる」との声も聞かれるほど。コムスン問題を契機に、訪問ヘルパーの低賃金がクローズアップ。処遇改善や介護報酬引き上げを求める声が高まっています。必要なサービスを確保するための課題を検証します。(寺田理恵)
「もともと、おじいちゃん、おばあちゃんが好き。お年寄りと話すのは少しも苦になりませんが、人手が少なく、一人一人に時間がかけられないのが残念です。夜勤のときは、1人で30人をみます。女性の職員は結婚や出産で辞めていく。賞与が出た後は辞める人も多いですよ」
こう話す介護福祉士の間島祐介さん(20)=仮名=は今春、都内の特別養護老人ホームに就職した。月収は月4、5回の夜勤手当や資格手当なども含め、手取りで約20万円。ほかに年に4カ月の賞与もある。
「学生時代よりは時間もお金も余裕ができました」というものの、「2、3年はいいけど、この先も上がりそうにない」と不満はある。
同僚の森本伸吾さん(21)=仮名=も「いずれ結婚と考えると、今の給与では男として、どうでしょうか」と、気がかり。だが、当面の問題は給与より、人手不足だ。
「母が訪問ヘルパーなので、1日4軒回ったりとか、介護が大変な仕事だとは知っていました。勤務先の特養は人手が足りず、25〜35歳がいない。夜勤のときに救急対応で1人が病院に付き添うと、1人で40人をみて、食事がなかなか取れないときもある。大変だけど、この仕事が好きだから、やってこられた」と話すが、表情は明るい。重度者の多い特養はやりがいのある職場なのだ。