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夫薬殺未遂訴訟:病院運営の市に賠償支払い命令 山口地裁

 山口県山陽小野田市の小野田市立病院(現小野田市民病院)で04年、入院中の男性(53)が同病院の看護師だった妻(49)=後に離婚=に劇薬をもられ脳に障害を負った殺人未遂事件で、男性が病院を運営する市に「薬品の管理責任を怠った」などとして約1億3570万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が19日、山口地裁宇部支部であった。平手一男裁判官は訴えをほぼ全面的に認め、約1億3340万円の支払いを命じた。

 判決などによると、元妻は04年1月、入院中の夫を殺害して保険金約3000万円を受け取ろうと計画。病院にあった抗不整脈剤キシロカインの溶剤計18本を、点滴に混ぜたり静脈注射をするなどした。キシロカインは大量投与すると心停止状態になる危険がある。夫は低酸素状態に陥って脳障害を負い、寝たきりとなった。元妻は殺人未遂罪で懲役16年の刑が確定し、服役している。

 公判で市は「投薬は看護師として行ったものではなく職務行為に当たらない」「キシロカインの混入は予見できなかった」と主張したが、平手裁判官は「勤務中で投薬行為は職務と密接な関連性を有している。病院は薬品の管理に確実さを欠いた」と退けた。【島田信幸】

毎日新聞 2007年11月19日 19時51分

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