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東播磨

明石市民病院が出産休止 早期の再開は困難

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来年6月から出産の受け入れを休止する明石市立市民病院=明石市鷹匠町

 医師不足、明石でも-来春以降の産科医が確保できず、来年六月から、出産受け入れの休止を決めた明石市立市民病院。病院側は「医師を確保し早急に再開したい」とするが、早期の再開は困難な見通しだ。合併症などリスクの高い妊婦も受け入れてきた中核病院での出産休止に、市内のある病院の産婦人科医師は「どの病院も産科は医師不足。(妊婦を)受け入れる負担は大きい」との悲鳴も聞こえる。(川口洋光、永田憲亮)

 市民病院の産婦人科常勤医三人は、夜間当直勤務を三日ごと、月に八回こなす。当直明けでも、午前中から再び外来診療を担当し、手術などが入れば引き続き夜まで勤務することもある。

 同病院事務局は「連続三十時間以上の当直勤務がある。お産には年末年始や土日も関係ないので、休みにくい」と勤務の過酷さを訴える。

 同病院は地域医療の拠点として、出産に二十四時間対応するため、産科医一人が夜間に常駐する。常勤医師はかつて四人いたが、二〇〇七年四月から三人に。

 非常勤医師が週に一回宿直を担当するが、ぎりぎりの態勢で勤務を回してきた。「常勤医三人は最低人数。二人以下だと診療が成り立たない」と和田満・事務局次長はため息をつく。

リスク伴う出産、市外受け入れも

 十八の診療科と約四百床のベッド数を有する市民病院は、地域の中核病院として一次、二次医療を担う。産婦人科は、昨年一年間で四百四十一件の出産を取り扱った。

 自然分娩(ぶんべん)だけでなく、妊婦が合併症でほかの診療科との連携や高度医療設備が必要な場合の出産にも対応。「市内産婦人科病院のバックアップ」(同病院事務局)にも当たる存在だった。

 しかし、出産の中止で今後は市内外のほかの医院、病院に頼らざるをえない。リスクが伴う出産のケースは、態勢が整う県立こども病院(神戸市須磨区)や加古川市民病院(同市米田町)が受け入れ先となる可能性が高いという。

(11/17 10:32)

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