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紀元会事件:教団運営めぐり確執か…死亡女性と創設者の娘

 宗教法人「紀元会」(長野県小諸市)の信者、奥野元子さん(当時63歳)が集団暴行を受け死亡した事件で、長野地検は16日、信者4人を傷害致死罪で起訴し、逮捕者が延べ36人に及んだ事件の捜査は山場を越した。県警小諸署捜査本部は古参信者だった奥野さんと創設者の娘で教団幹部の窪田康子容疑者(49)との教団運営をめぐる確執が事件の背景にあったとみている。

 捜査本部の調べや関係者によると、事件が起きたのは9月24日深夜の「反省会」と呼ばれる集会。「大神様の孫に何てことを」。数十人の信者の視線が奥野さんの次女、森美智子被告(26)と夫に向けられた。

 森被告は数年前、中学生だった窪田容疑者の娘に「財布に入れておくとお金がたまるよ」と避妊具を見せた。その話が蒸し返され、日々の生活を反省する会は糾弾の場に変わった。「男は下がって」。そんな声が聞こえ、森被告に事前に準備した避妊具を付けたビニール袋製のベストが着せられ、暴行が始まった。

 「母親にも責任がある」。奥野さんが呼び出されたのは24日午後11時半ごろ。「上腕部が痛いからそこに乗れ」「神子(みこ)になれなかったらどうする」。窪田容疑者があおると、未成年の信者の中には跳びげりした者もいたという。1時間の暴行の末、ぐったりした奥野さんに信者は慌て、人工呼吸を施したり、「万病に効く」とする「紀元水」をかける者もいた。

 会は紀元水を「神の水」とあがめる信者が集まり70年に創設された。以前は市内の商店街で「紀元水祭」というみこし行列を出すなど、地域とのつながりも深かった。しかし、5年ほど前の創設者の死去後、閉鎖性を強め、最近では教団運営を仕切る窪田容疑者らに古参信者が反発。脱会する者も多かったという。

毎日新聞 2007年11月17日 2時30分

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