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防衛専門商社は40年以上前からの謎

防衛省は人材育成に取り組んで欲しい

谷口 滝也(2007-11-17 17:30)
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 野党側が求めていた防衛省の守屋武昌前事務次官の2度目の証人喚問が、11月15日に参院外交防衛委員会で行われた。

守屋武昌・前防衛事務次官(ロイター)

 証人喚問の中では、自衛隊から山田洋行、独立後は日本ミライズへと渡り歩いてきた宮崎元伸氏も含む会食で同席した政治家について「久間(章生)先生と、額賀(福志郎)先生です」と述べ、元防衛大臣と現在の財務大臣の名前が守屋氏の口から初めて出た。現在、額賀大臣と久間元大臣は、この一連の問題について関連を否定している。

 防衛専門商社の存在の不思議さは、1960年代や1970年代にも国会審議で何度も野党側から追及されていた。にも関わらず、何十年間も問題にしなかった自民党や防衛省(防衛庁)の、ぬるま湯体質が私には疑問でならない。

 防衛庁(防衛省)は必要な人材を育てきれず、戦後にできた防衛専門商社にどっぷり依存した部分があったのではないか。宮崎氏の活躍の場は、用意されるべくして用意された側面があったと私は思う。

 10月29日、民主党の大久保勉議員が参議院決算委員会で、

 「どうして専門商社が入る必要があるのか。GEという会社は、日本にも子会社がありますし、実際に日本語が分かる技術者並びに営業員がいる」

と、疑問点を突くと石破防衛大臣は、

 「アメリカの商慣習、アメリカの商取引、あるいは日本の商慣習、日本の商取引、膨大な法体系、あるいは通関手続、そのような事を商社が今まで一手にやってきたわけですね。それは、それなりの役割を果たしてきたと思います」

と、今までの商社の役割への理解も求めた(会議録より)。

 冷静に考えてみればわかるが、疑惑の渦中にある宮崎氏は元自衛隊員である。その彼が自衛隊を辞めた後、防衛省への納入に関して山田洋行や日本ミライズで海外企業GEなどとの取り引きができたという事は、教育・知識次第でそこまでできるということである。

 山田洋行が米ゼネラル・エレクトリック社製の次期輸送機CXエンジンについての日本代理店だったのに、宮崎氏が独立して立ち上げた日本ミライズにCXエンジンの代理店が変更されたのは、強引さだけでなく、悪用された知識も含めてだった。

 自衛隊は、米軍が買っている兵器の値段よりも大幅に高い値段で、水増し請求で、アメリカの企業の製品を買わされている。同じ兵器を米軍はどれぐらいの値段で購入しているのか、詳細な日米価格比較表を作って欲しい。

 そして、無駄をチェック出来るようにして、水増しだけでなく、不当に高い値段ならば、改善を要求し、国民の税金を無駄にしないようにすべきではないだろうか。

 防衛省内の教育システムを少し変えて人材育成をすれば、日本に支社があるアメリカ企業との直接交渉は充分可能なはずだ。他の省庁から、知識のある職員たちを短期出向させてもらうことも可能なはずだ。

 今回の一連の事件を見ていると、巨大な防衛利権は発生するべくして発生したとも言える。防衛省に欠けていた部門の、人材育成強化をしないと繰り返される事になる。

 巨大な防衛省がどうかわるのか、どう変化出来るのかで、国民の懐の痛みも違ってくるだろう。国民の痛みは、数倍以上だとも思う。

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