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「北朝鮮は先細り消滅も」首相、核放棄促す CNNで

2007年11月19日11時51分

 福田首相は18日放映された米CNNテレビのインタビューで、北朝鮮の核開発問題に関連して「(北朝鮮は)今のままでは先細り、いずれは消滅してしまうのではないか」と述べ、北朝鮮に核兵器を放棄し、国際社会と足並みをそろえるよう強く求めた。軍事的な「中国脅威論」については「私はどちらかといえば楽観的な立場にある」と語り、中国を敵視しない姿勢を示した。

 インタビューは16日の日米首脳会談後に収録された。首相は北朝鮮について「独立国として自立していくことを希望するならば核兵器は放棄すべきだ」と指摘。さらに、「経済の自立を考えた場合、日本の経済的な協力も必要だから、当然、日朝間の拉致問題の解決も必要だ」と述べた。

 「核兵器を放棄しないと北朝鮮が破壊されるということか」と問われると、首相は「破壊されるかどうかではない。非常に鎖国的な、閉鎖的な国家で、人々は非常に不幸な状況にある。自由社会と全く違う体制を組んでいる社会だから、自立とはいえない」と述べた。そのうえで「いずれは消滅してしまうのではないか」という表現で北朝鮮の変化を求めた。米国の北朝鮮に対するテロ支援国家指定解除問題には言及しなかった。

 中国の軍事計画については「今はそれほどのものではないが、今のペースで増強されていけば、将来大きな脅威になる」と指摘。一方、「問題は(軍事力を)持つだけでなく、その意思だ」との考えも示し、「中国が攻撃的な軍事力を持つことになれば、世界中の脅威になる。それは許されないと思っているから、私はどちらかといえば、楽観的な立場にある」と語った。

 インド洋での海上自衛隊の給油活動再開について、「(補給支援特別措置法案が)通るかどうかはこの1、2カ月の問題」と述べたものの、軍事的活動には憲法上の制約がある点を強調。「米軍の物資の輸送など補完的な活動以上のことについては、議会、国民の間でさらに議論をつめる必要がある」と、憲法改正に慎重な姿勢を示した。

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