◇Q・寝相悪い3歳女児、眠りが浅いのですか
もうすぐ3歳になる女児。寝相がかなり悪く、一晩のうちに布団の上をあちこち動き回ります。掛け布団をかぶっているのは10分くらいで、家具にぶつかったり、障子を破いたこともあります。眠りが浅いのでしょうか。(大阪府、母親)
◇A・小さいほど睡眠中も活発--厚着させて寝かせては
睡眠中は、レム睡眠とノンレム睡眠という二つのパターンが繰り返されています。レム睡眠中は、脳は活動しており、夢を見たり、体の動きも活発で、寝相が悪い時もこの睡眠状態のひとつの表れといえるのです。
子どもは大人に比べて、レム睡眠とノンレム睡眠のサイクルが短く、レム睡眠の割合も大きいため、小さい子ほど睡眠中も活発です。でも、なぜ寝相の良い悪いがあるかはよく分かっていません。生活環境の変化や日中の興奮が夢で現れ、寝相の悪さや夜泣きを引き起こすと考えられますが、個性とも関係ありそうです。というのは、私の4人の子どもの経験から、活発な子はおなかの中にいる時から活発で、昼間の活発さはもちろん寝相も悪かったからです。
睡眠時間の長さは個人差がありますが、2歳ごろからは、午前中しっかり起きて活動できるかが、睡眠が足りているか、質の良い睡眠が得られているかの指標になります。
人間の身体には生体時計といってほぼ1日を周期とする現象があります。例えば、成長ホルモンは寝入ってすぐのノンレム睡眠期に多く分泌されます。またメラトニンは夜に多く分泌されますが、夜でも明るいと分泌が抑制されるといわれています。早起きをさせ日光のもとで活動させたり、早めに暗い環境で寝かせることは、子どもの成長に不可欠です。
寝相が悪い子に夜中布団をかけていたら、母親は寝不足になってしまいます。少し厚めの上着やガウンを着せて布団から飛び出してもいいように寝かせてはいかがですか。
毎日新聞 2007年11月18日 東京朝刊