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病院出来高払いから定額制 最善の医療受けられる?

9月03日 09時23分

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 DPCという言葉をご存知だろうか? DPCというのはDiagnosis Procedure Combinationの頭文字であり、入院費の包括払いのことである。これは従来から行われている「出来高払い」(治療や検査、投薬を行えば行うほど医療費は高額になる)とは異なり、1日当たりの医療費を病気の種類で、どんな治療を行っても一定額とする仕組みだ。

 このDPCは平成15年より大学病院や大病院などで導入されており、導入している病院は年々増えている。DPCを導入する背景として厚生労働省は、病院は無駄な検査や投薬を行わなくなり、効率的な医療を促進、そして増え続ける医療費の抑制につながると説明している。

 DPCは入院してからの日数が経てば経つほど1日あたりの点数が段階的に低く算定される。3週間ほど入院されると、病院は赤字になることさえあるという。病院としては、長く入院してもらっては困るのである。

 実際、今年の3月の毎日新聞の記事には2003年度からDPCを試行している82病院では、2006年の平均入院日数が2002年の20.37日から16.83日に減ったと出ている。これを厚生労働省は、入院医療の効率が進んでいると評価しているようだが、本当にそうなのか?

 実はこの記事には続きがあり、入院日数の短縮の影には「治癒」した患者の割合は12.51%から4.84%に落ち込んだというとんでもない事実がある。そして更には同じ病気で6週間以内に再入院した人の割合は、2003年度にDPCを始めた病院の場合、2002年の2.54%から4.63%へ大幅に増加しているという。

 日本医師会でも「長く入院させていても収益があがらず、十分な治療をせずに退院させている可能性がある」と指摘している。

 またDPCの別の問題を挙げてみると、医師は近年開発された高額な薬剤を使用しづらいという点がある。DPCは包括払いなので、安価な薬剤を使用しても、高価な薬剤を使用しても病院に入ってくるお金は同額である。入ってくるお金が変わらないならば、安い薬剤を使用し退院できる程度に治療することが、病院の経営的には有利となる。

 また高い薬剤を使用すれば病院が赤字になってしまう可能性があり、患者は最新の治療が受けられない可能性も。この問題点に関しては8月より一部だが改められ、高額な薬剤を使用した場合は包括払いでなく、出来高払いにするとなった。しかしこの薬剤に関しては薬剤名が指定されている。

 患者が払う医療費は減少したが最善の治療が受けられていない可能性がある。最善の治療を低額で受けられるような医療体制を作り上げるにはまだまだ改善すべき点が多そうだ。

文■次元(脳学者の卵)

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この記事へのコメント

  1. 名前: :2007年9月 3日 11:41

    テキトーになりそうな気が・・・

  2. 名前:夕ケ :2007年9月 3日 11:45

    結局のところ高額な薬剤を安く提供できるように、生産側に努力してもらうしかない気がする。

  3. 名前: :2007年9月 3日 11:46

    もともと持病を持っている人とかはコストがかかるので
    なかなか入院できなくなるでしょうね.
    質の維持に対価が必要なのはサービス業の常識.

  4. 名前:保険料はそのまま? :2007年9月 3日 12:16

    一定額ってどの程度の治療で幾ら位なのかと思うけど、風邪みたいな一時的な治療や、糖尿病とか一生継続する治療、癌とか手術をして入院して経過を見て行く治療とか色々あるし、投薬や検査も必要無いと思う時もあるし、手術したけど、病院まで遠かったり一人暮らしだと、体調が安定するまで入院したいと思うこともあるし。
    高齢者も増えてますます医療費も掛かるだろうし、今のうちに医療体制をしっかりして欲しいです。受けたい治療も満足に受けられなくなるようでは、先進国じゃないですよね。
    年金問題みたいにはなって欲しくない。

  5. 名前:所詮商売? :2007年9月 3日 12:40

    「医は仁術」なんて言ってた時代があったなんて嘘みたいな現状。
    病院も経営が成り立たないとやっていけないのは事実だけど、基本は患者さんを治すのが医者じゃないの?
    どうしてこんな状態になっちゃったんでしょう…
     
    政府がもっと医療に関しての補助をして、経営を気にせず治療に専念できる環境を作らなきゃいけないんじゃないかなあ。
    医者にしろ教師にしろ、国の根幹である「ヒト」を守り育てる仕事であることを忘れてはいけないと思います。

  6. 名前:neuron1115 :2007年9月 3日 12:55

    >5
    国が医療費削減ばっかりしか頭にないからこうなっているんです。

  7. 名前:秋葉文人(´・ω・`) 秋葉狂歌人 :2007年9月 3日 12:55

    (´・ω・`) 心療内科の治療費&薬の高さは異常。

  8. 名前:他にもあるんじゃないの? :2007年9月 3日 13:43

    確かに無駄に入院したりして、国家予算としての医療費がかさむこともあるだろうけど医療費削減する前にもっと削減すべきところは他にもあるはず...。

  9. 名前:217 :2007年9月 3日 13:50

    この制度のお陰で徘徊老人なんかが自宅介護が難しいからって
    病院に預けられることは少なくなったんだろうけど
    当事者としては嫌な制度だったな。病院くらいしか色々管理してもらえないし
    老人福祉施設なんて馬鹿高過ぎる。低所得者は老人と一緒にのたれ死ねと
    言ってるようなもん。病床を減らす制度を重視させるよりも、長期入院
    のためのアフターケアやフォロー制度を整えるべき

  10. 名前:高木さん :2007年9月 3日 14:26

    うーむ。
    日本の国の医療費は
    抑制して
    もっと
    民間の医療、例えばサプリメントとかを使用する際に
    弊害が無いような体制を強化すべきだと思いますが。
    だって、財源ないもんね。多分。

  11. 名前:moon :2007年9月 3日 15:09

    病院側の人間としてはしんどいものがありますよ。
    厚生労働省の無理やりな政策。
    (DPCのみならず、介護保険の廃止や
    療養病棟の削減、診療報酬改悪とかね)
    今後の日本が心配です。

  12. 名前:くんちゃん :2007年9月 3日 16:07

    病気にならないように普段から予防することが一番じゃよ。

  13. 名前:907907 :2007年9月 3日 16:35

    DPCの導入や療養病床の削減など、厚生労働省は医療費の抑制方法を考えている。しかし、その考え方はお金に縛られている点が大きな間違えである。厚生労働省の医療における使命またはゴールは国民に合理的で最善な医療サービスをうけさせる仕組を作り出すものである。お金に縛られたら、そのゴールを実現するのは無理であろう。あるべき姿を作り出して、かかったお金はその結果として現すものである。医療費抑制には個人的には一つの提案がある。それは各病院ごとに保管しているカルテをそれぞれ患者自身に保管してもらうことで、各種の検査を重複しなくて済むようになるだけでも、大きな節約になる。

  14. 名前:ノロマ君 :2007年9月 3日 22:22

    最善を尽くします。

  15. 名前:安倍晋二 :2007年9月 4日 21:37

    「国民の皆さん、75歳になったら病気になっても文句を言わず死んでください。公共事業で借金だらけになってしまったんだからしょうがないじゃないですか。」  って 財務省 & 自民党が言っているのをご理解いただけましたか。

  16. 名前:alepop :2007年9月 6日 00:39

    >病院は無駄な検査や投薬を行わなくなり、効率的な医療を促進、
    3分診療に勝るものはないということだろうか。
    制度だけでカタがつく問題じゃないんだよね。

  17. 名前:馬鹿子 :2007年9月 6日 13:08

    いま専門医が減っているといわれる小児科にとっては良いことなのかも?
    医者は薬を使えば使うほど儲かると聞く。
    小児科はあまり薬を使わないので儲けが少なく、それでいて激務らしい。
    これはもしや、少子化対策?

  18. 名前:ノロマ君 :2007年9月 7日 19:14

    病院怖い。ボッタクリ多し。適当が多し 病気見逃しがあるし。

  19. 名前: :2007年9月 9日 10:45

    なら行くな

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