サイトの消滅
- サイト消滅を喜ぶ作者、嘆く閲覧者。
「サイトの更新停止します。」なんてのは、残念だけどよくある話。理由は様々だけれど、人それぞれ事情ってものがあるし、そもそも趣味でやっているサイトを止めるのに何か大それた理由が必要ってわけでもないと思う。日記更新してた時間を筋トレに回したくなったとか、そんなことでも十分閉鎖はあり得ます。
ただそれにも増して残念なのは、「サイトの閉鎖 = コンテンツの削除」と考える管理人さんの多さです。「更新できないサイトを残しておいてもしかたがないので消します。」
とか「けじめを付けるために消します。」
とか。あるいは何も告げずにさらっと消してしまうことさえ、ある。
消す方は消してスッキリするかもしれないけれど、それを嘆く大勢の閲覧者がいることを、もしかしてお忘れではないですか?
こういうコトが平然とできてしまうのには2つの理由があると思います。
1つは、管理人さんが“自分の文章なんか駄文である”と信じ切っていること。「こんな私に付き合ってくれて」
という気持ち。
もう1つは、サイトに対して“このサイトは私のモノ”と思っている。そう思いたいと考えていることです。
このまま放置したら、自分のサイトが自分の“管理”から離れてしまう。“私のモノ”を途中で投げ出すなんて無責任。キッチリ後始末もしなくちゃね。どうせ“駄文”なんだし、こんなモノ捨てちゃえ。という話。
私は、この考えは2つとも間違っていると思う。
第1に、Webサイトの内容は駄文じゃない。面白くないサイトなんか初めから見に行かないからです。その数の大小にかかわらず、アクセスがあるサイトは誰かに必要とされています。ただの日記、ただの掲示板の雑談ログ、そんなものでも面白いと思って、見に来てくれている人がいるということを、ちゃんと理解して欲しい。自分のお気に入りを、ある日突然、不可抗力によって消されてしまう悲しみを理解して欲しい。
第2に、そのサイトは、すでに“管理人さんだけのモノ”じゃない。いや、決定権があるという意味で、最終的に管理人さんのモノであることに違いはないかもしれない。けれど、あなたが WWW という空間に自分のサイトを開いて、最初の読者が訪れた瞬間からあなたのサイトはあなただけのモノじゃなくなっていると、私は思います。読者が望そうむのであれば、あなたがサイトを残したまま管理を放棄するという選択肢もあって然るべき。
あなたがサイトを消そうというとき、それを悲しんで見ている、時にそれを恨みさえする閲覧者がその背後にいることを、きちんと考えて欲しいのです。こういう思いを踏み越えて、「それでも消す」
という管理人さんを、私が止めることはできません。けれど、「知らなかった」
「考えもしなかった」
で済ませて欲しくない。サイトを消すことで得られる安心感は、今まで自分の更新の原動力だった読者の嘆きの声を振り払うに値するものなのか。もう一度、よく考えてもらいたい。
最終的に、管理が放棄されたページはWeb上から姿を消す運命にある。それはわかってる。>>Deltaだって、私がドメイン管理費やサーバー管理費を支払わなくなったら、WWW から消えて無くなる運命にあります。だとしても、1夜にしてサイトが消滅してしまうことと、サイトが消滅の運命にあると告知することは同じではないはずです。
もう一度いいます。ご自身のサイトの閉鎖を考えるときには、その背後に大勢の読者がいることを、決して忘れないでください。そしてサイトを残すことをはじめ、消さなくてもいい選択肢がそこにあることを、是非、覚えていてください。
この記事を書こうと思った経緯について
私は先日、あるサイトさんの閉鎖に立ち会いました。「サイトの閉鎖」というのは、何度味わってもあまり気分の良いものではないですね。そこで、私は管理人さんに「あなたのサイトの記事を、>>Deltaのコンテンツとして保存させて欲しい。」
と申し出ました。その方は快諾してくださったのですが、私がちょうど忙しくて死にそうだった事もあって、それから1-2週間ほど手を付けられなかったのです。
ようやっと時間ができたので、記事のバックアップ作業をはじめようと思った時には、記事は全て削除されたあとでした。もっと早くやっておけば…、と思わないでもありませんが、できなかったのだから仕方がないです。それより、記事の転載まで承諾してくださったにもかかわらず、僅か2週間足らずで全削除しなくたっていいじゃないか。と思わずにはいられませんでした。
公開しておくのが恥ずかしい理由でもあるのなら仕方がない。でも、そういった事情がなかったのであれば、わざわざ手を下さず、放置しておいてはもらえなかったものか。と今さらながら思って書いたものです。
最後に、>>Deltaのコンテンツは、About: 転載・改変にあるように、ご自由にやっていただいて構いません。むしろ、必要な情報は積極的にコピーしておいていただけた方が、こちらも後々になって重荷を感じずに済むので助かります。
投稿者 | CASPAR003 |
投稿時刻 | 21:32 |
カテゴリー | 主張 |
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