実習4時間目・各機関から寄せられた具体的な回答
当講座開設当初に、各機関に問い合わせた回答です。
・電話で聞いたものをそのままタイプしてまとめたので、文体の不統一はお許し下さい。
・聞き書きですので、若干のニュアンスの相違があるかもしれません。
2001年にお尋ねした古い回答ですので参考程度にしていただき、正確な回答はご自身でお確かめいただきますよう、お願いいたします。
社団法人コンピュータソフトウェア著作権協会
質問 ディズニー社の許諾を頂いた上でディズニーのキャラクターを個人のホームページで使用することは可能でしょうか
回答 ディズニー社の許諾を得れば可能。許諾をするかしないかの権利はディズニーにあります。
質問 費用や手続きは?
回答 ディズニー社と連絡をし、使用の申請をして、交渉して下さい
2001.5.12 事業部普及促進課
オリエンタルランド
広報の方が出て、「どんな写真を?」と聞かれたので「TDL写真集(現在は廃止)」の内容を紹介したところ、二重の著作権の説明(2時限目参照)を頂いた後、「背後のキャラクターはDisney社の物なので、こちらとしてはOKを出す権限はありません。基本的には使用しないで頂きたいと思います」
ちょっとつっこんで「あるサイトで、(肖像権をクリアすれば)自分で撮影した写真なら使えるとOLC社の回答として掲載されていたが」と言ってみたら「回答する者のニュアンスと受け取った方の取り方次第では・・」と歯切れの良くない返事でした
2001.5.14 広報
Disney Enterpriss Inc Japan
(OLC社から言われたことを言うと)「その通りです」。
で、私が「それでは個人のサイトに(c)Disneyとして載せたい場合の可否や手続きは」と尋ねると
「雑誌などのサイトで(c)Disneyを表示していただいて、掲載を許可することはありますが、現在、個人のサイトに関しては許可をだしておりません。」
「それでは、自分のサイトにディズニーキャラクターを掲載することも出来ないし、他の個人サイトに載っているキャラクターはすべて取り締まりの対象になるわけですか?」との問いには「大前提として、公には、Disneyは個人からのリクエストは受け付けていないし、内容によってはそれなりの処置をすることがあります。」というお答えでした。
著作権担当 ◎◎様
社団法人著作権情報センター
次の質問と回答をいただきました。ディズニーと関係のない質問もありますが、私の勉強のため、おつきあいいただきました。
『料理の写真は著作物にあたるか』
「料理は『富士山とおなじ』で著作物にはあたりません。よく、『盛りつけは著作物だ』と言う方がいますが、違います。当然、写真を撮影した方の著作物になります
(ただし、制約があります。後述)」
『掲示板への書き込みは』
「匿名の場合でも、書き込んだ人が著作権を有します。歌詞などの著作物を書き込まれた場合は、書き込んだ人の責任になりますが、管理者は管理者としての責任がありますので、削除したほうが良いでしょう」
『古美術品の著作権は』
(著作者の死後50年で著作権は消滅することを知っている前提で話しました)
「著作権が消滅すれば、自由にネットで公開出来ます。ただし、所有者が撮影禁止とした場合は、そちらの権利関係上(所有権や所有者の人格権などだと思う)、サイトに掲載できないし、所有者に「自分で見るため」といって撮影したものをサイトに公開する事も同様にできません。」
(補足として、自分で撮影した場合は、写真の著作権は自分にありますが、他人の写真や書籍を複写した場合は撮影者や出版者の著作権を侵すことになります。また、美術館や料理の写真で、館側や店が「撮らないで」と言った場合は素材の収集自体が違法---厳密には人格権などの私権の侵害---になるので、サイトへ掲載した場合はそちらで責任が問われます。)( )内はしゅんしゅんによる付け足し。
『シンデレラ城の前で撮った写真は』
「誰でも入れる所で撮った写真の著作権は、撮影者にあります。例えば、東京ドームの前で撮った風景写真は撮影者に著作権かあるので、自由に使えます。(東京ドームが『著作権違反だ』、と警告しまくっているのですが、的はずれの警告でこちらも困っています)」
ただ、TDLはOLCの管理区域であり、管理区域内で撮影する場合は当然管理者の意向に従う事が必要です。(シンデレラ城と東京ドームはこの点で違うのですね)
ディズニー社は非常にきびしいですからねぇ
ただ、個人でサイトに載せる分にはそんなに問題はおきないですよ」
2001.5.14 著作権テレホンガイド
富士写真フィルムお客様コミュニケーションセンター
『作ってもらった(著作物入りの)ポストカードを、家庭内以外の友人などに配布すると、著作者の頒布権の侵害にならないか。』
「お客様がお持ち込み頂いたネガでポストカードをお作り頂いた場合、ポストカードに著作物が写っていても、そのポストカードが販売目的で使用されるのでなければ問題ありません。」
2001.5.15 お客様コミュニケーションセンター
著作権ホットライン
『作ってもらった(著作物入りの)ポストカードを、家庭内以外の友人などに配布すると、著作者の頒布権の侵害にならないか。』(フジフィルムと同じ質問)
「確かに、著作権者は『頒布権』を持っているが、それが販売を目的としなければ、問題はないと思います。」
『建物の配列に著作権はあるか』『場所説明用の写真を載せたいのだが「風景の引用」という解釈はできるのか』
「建物には「建築著作権」、建物の配列を記したものは「地図の著作権」がありますが、建物の配列は単なるデータにあたり、著作権ではありません」
写真の掲載については、「写真の著作権はあなたにあります」「風景は著作物ではありません。管理区域内であるか否かを問わず、建築著作物が写っていても、それが風景の一部であれば問題ありません。また、ミッキーマウスなどの著作物が写っていても、それが風景の一部であれば、(営利目的で使用しなければ)問題はないと思います」
(これで話が解決してしまったので、引用との関連は聞けなかった)
『自宅の表札や車に張るステッカーは』
「表札は『家庭内での私的使用』にあたるので、複製はOKです。」「車にステッカーを貼る場合、購入したものなら、『家庭内での私的使用』と解釈できるので全く問題ありません。また、カッティングシート等で複製しても、微妙なところですが、まず問題ないでしょう」(ただし、一般家庭で私的に使う場合のお話で、営業車やお店の場合は(購入したミッキーマウスなどの商品でも)一切使用できません、とのこと)
ほか、家庭内の私的使用の範囲として、「子供の着る服に、ミッキーマウスの絵を描いて、それを着せて外出すること」もOKとのことです。
2001.5.15 著作権ホットライン
実習5時間目・違法アップロードの話
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