被写体(レイヤーさん)には肖像権を含めたプライバシーの権利があり、 撮影者(カメコさん)には著作権があります。プライバシーの権利者の許可なく公表(Web上にアップ)すること、 著作権者の許可なく転載することは違法です。以下は著作権法より引用。
(著作物の例示)
第十条 この法律にいう著作物を例示すると、おおむね次のとおりである。
一〜七(省略)
八 写真の著作物
九(省略)
(複製権)
第二十一条 著作者は、その著作物を複製する権利を専有する。
背景に小さく写ってる人にはプライバシー権(肖像権)はありませんが、 背景かそうでないのか?のグレーゾーンもありますので、あやしい場合は 被写界深度を浅く撮ったり、 レタッチで背景をぼかしたり、そもそも背景が写らない壁際で撮ったりするのが確実です。
レイヤーさんを撮らせてもらうための許可と、それをWebサイトで公開するための許可の二つの許可が必要です。特に公開のための許可はレイヤーさんから一筆もらうのが確実です。CNが正確にわかりますし、 帰宅後にそのサインに萌えるのも楽しみの一つです。事前に用紙を作っておくのがよいでしょう。
名刺を用意していれば、許可をもらうまでの流れがよりスムーズにいくでしょう。名刺には
が書いてあるのが理想です。多くのレイヤーさんは正体不明のサイトに自分の写真の掲載許可など出したくありません。どんなサイトかがよくわかる名刺がよいでしょう。逆にレイヤーさんの名刺ですが、文字だけでなく、名刺サイズの本人写真が張ってあるとかなり萌えます。
なお、許可なく撮影すると、プライバシー権(肖像権)の侵害になります。
レイヤーさん本人の許可なくパンチラを撮ることは、盗撮であり犯罪です。 ましてそれをWeb上に公開するなど大罪です。 座ったときにパンチラ写真を撮られる可能性が高いようですので、レイヤーさんはカメコさんからそういう要求があった場合は警戒すべきでしょう。また、ローアングルからの撮影も注意が必要です。以下は WEB広報東京都 迷惑防止条例を一部改正から引用
罰則が強化される行為
公共の場所又は公共の乗物において、 人の通常衣服で隠されている下着又は身体を撮影する行為
罰則
単純 6月以下の懲役又は50万円以下の罰金が
↓
1年以下の懲役又は100万円以下の罰金
常習 1年以下の懲役又は100万円以下の罰金が
↓
2年以下の懲役又は100万円以下の罰金
に強化されます。
逆に言うと衣服で隠れていないところを撮影しても盗撮にあたりません。 極端な話、公共の場所を裸で歩いている人間を撮影しても、盗撮にはなりません。 ただし、プライバシー権(肖像権)の侵害にはなります。
運営者の指示は当然厳守です。守らなかった場合、フィルム没収などのペナルティがあるので注意。
上の方でもいくつか述べましたが、コスプレ写真の権利をまとめてみると
写真を公開するにあたり、1と2の許可が必要だというのはわかりますが、3はどうなのでしょう?結論から言うと、よくわかりません(すいません)。 コスプレ写真は一見すると同人誌同様に二次的著作物のようですが、その様な判例や専門家の意見がないため、判断が非常に難しいのです。そして、 このことに関して言及している人がほとんどいないため、 社会的問題にはなっていないようです。もし、どうしても気になるようでしたら、Webサイトでコスプレに関して許可を明示している企業もありますのでチェックしてみてください。
コスプレに限らず、著作物全般について、それが写真に写ってしまった場合はどうなのでしょう? (著作権)運用の現状によれば、写真のテーマとして著作物が「従」であればよいと 社団法人コンピュータソフトウエア著作権協会が回答していますので、レイヤーさんが「主」であれば問題ないようです(例:アップ画像)。ただし、上記のページでディズニーは「従でもダメ」と異なる見解を 出しているので注意が必要です(権利濫用?
ところで、建物や屋外に設置してある著作物が写ってしまった場合は
(公開の美術の著作物等の利用)
第四十六条 美術の著作物でその原作品が前条第二項に規定する屋外の場所に恒常的に設置されているもの又は建築の著作物は、次に掲げる場合を除き、いずれの方法によるかを問わず、利用することができる。
一 彫刻を増製し、又はその増製物の譲渡により公衆に提供する場合
二 建築の著作物を建築により複製し、又はその複製物の譲渡により公衆に提供する場合
三 前条第二項に規定する屋外の場所に恒常的に設置するために複製する場合
四 専ら美術の著作物の複製物の販売を目的として複製し、又はその複製物を販売する場合
なので、特に問題はないようです。ただし、 ここで言う「前条第二項に規定する屋外の場所」とは、 “街路、公園その他一般公衆に開放されている屋外の場所又は建造物の外壁その他一般公衆の見やすい屋外の場所”であり、また、 先ほどの (著作権)運用の現状によれば、ディズニーランドのような一般公衆に開放されていない場所の建築物は 上記の条文は適応外のようです。建築物の管理者の指示に従いましょう。 もちろん風景に著作権はなく、建築物が写真の中で風景の一部としてテーマに従であればOKです。 また、民家などを勝手に撮影することは、プライバシーの 問題もありますのでやめたほうが賢明でしょう。 (しつこいようですが、ディズニーの見解とは異なります。
原則的に衣装には著作権は成立せず、代わりに意匠(デザイン)権で保護するようです。 著作権は著作と同時に発生しますが、意匠権は登録制です。登録されていないものの意匠権を主張することはできません。そして、意匠権のあるものを使用しても問題ありません、また 撮影した写真を公開することは「 意匠法第4章第2節権利侵害第38条侵害とみなす行為」 ※ には当たらないようです。
服飾デザインについては著作権が成立しないのが原則とされています
服飾デザインのように,機能性が強く認められるものについては,著作権が成立しないのが原則です。しかし,応用美術であってもその作品が「実用目的のため,美の表現において実質的制約を受けることなく,もっぱら美の表現を追求しているとき」には純粋美術と同視して著作権の成立を認めることがあります(ティーシャツ模様事件,東京地裁昭和56年4月20日)。
著作権はその1枚のデザイン画の創作表現について生じる権利であって、それを元に量産した服のデザイン自体に及ぶものではない
(侵害とみなす行為)第38条業として、登録意匠又はこれに類似する意匠に係る物品の製造にのみ用いる物の生産、譲渡等(中略)若しくは輸入又は譲渡等の申出(中略)をする行為は、当該意匠権又は専用実施権を侵害するものとみなす。
キャラクターを立体化することは二次的著作物(あるいは翻案権の行使)となります。が、コスプレ行為が キャラクター全体の立体化なのか、衣装だけの立体化なのかは判断が分かれるところです。 強いて言うとモノマネに当たりそうですが、キャラクターのモノマネが著作権とどう関係しているのか不明であり、また、現段階では問題にはなっていないようです。 もちろん着ぐるみは二次的著作物(あるいは翻案権の行使)となります。
確かに役を演じていなくもないですが、著作権があるのは脚本や振付なので何か違う気がします。 もし、著作権があったとしても、 特に撮影する場合は実演者(レイヤーさん)の実演権の方が大きそうです。ちなみに、 著作権法では営利を目的としない上演に関しては、自由に行ってよいとしています。
(営利を目的としない上演等)第三十八条 公表された著作物は、営利を目的とせず、かつ、聴衆又は観衆から料金(いずれの名義をもつてするかを問わず、著作物の提供又は提示につき受ける対価をいう。以下この条において同じ。)を受けない場合には、公に上演し、演奏し、上映し、又は口述することができる。
実演家(俳優、歌手、演出家はここに含まれる)は著作権法上、著作隣接権を有しており、その実演を録音し、または録画することについて排他的権利を有している(著作権法第91条1項)。したがって、実演を録音、録画するときには実演家の許諾を得なければならない。