在日人権資料センターへの写真展示の準備を進める林えいだいさん(右)と朱文洪牧師
崔牧師は1970‐90年代、外国人登録証への指紋押なつ拒否運動を展開するなど在日コリアンの権利獲得に尽力。このため、同教会は在日の人権闘争の「聖地」とされている。
林さんは約30年前の崔牧師との「教会が改築されたら写真を提供する」という約束を、センター完成を機に実現。「朝鮮民族の苦難の歴史」と題して、35年以上かけて全国で集めた強制労働や強制連行に関する写真を常設展示する。当時の筑豊や長崎の炭鉱での朝鮮人労働者の生活を伝える写真なども並ぶ。
崔牧師が展開した指紋押なつ拒否運動の文書、裁判記録などを公開するとともに、写真や映像で振り返る。特別展も随時企画する。
センターは88年から日韓両国で集めた募金約5000万円で建設。鉄骨2階建てで1階約165平方メートルに資料を展示、2階は集会所として使う。
開館準備を進める林さんは「強制連行はなかったという人もいる今、写真を見て事実を事実として受け止めてほしい」。崔牧師の後を継いだ朱文洪(チュムンホン)牧師(52)は「在日コリアンの苦難の歩みを通して日本の歴史を正しく認識し、真の日韓友好を築く場にしたい」と話す。
一般公開は来年初めになる予定。資料提供も歓迎している。同教会=093(521)7271。
=2007/11/17付 西日本新聞朝刊=