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大阪市長選:自公に大きな打撃 民主、国会論戦でも攻勢へ

敗戦の弁を述べる関淳一氏=大阪市中央区の事務所で2007年11月18日午後9時21分、幾島健太郎撮影
敗戦の弁を述べる関淳一氏=大阪市中央区の事務所で2007年11月18日午後9時21分、幾島健太郎撮影

 18日の大阪市長選で民主、国民新両党推薦の平松邦夫氏が自民、公明両党推薦の現職、関淳一氏らを破って初当選したことで、「福田康夫首相の初陣で負けられない選挙」(古賀誠自民党選対委員長)と位置づけてきた与党には危機感が広がった。民主党は小沢一郎代表の辞意騒動を乗り越えての勝利だけに、余勢を駆る形で臨時国会での与党との対決姿勢を一層強めるとみられる。

 「終盤の追い上げが後一歩及ばず誠に残念」。公明党の北側一雄幹事長は18日夜、コメントを発表した。大阪市は衆院の6小選挙区を与党が独占(自民、公明両党が3議席ずつ)。特に「常勝関西」と呼ばれるほど強固な地盤を誇る公明党にはショックは大きかった。

 自民、公明両党は国政選挙並みの体制で臨んだ。4日の告示日には伊吹文明、北側両幹事長がそろって大阪入り。自民党は大阪府選出の国会議員に地元入りを指示したほか、公明党も太田昭宏代表らが相次いでテコ入れに入った。総力戦を展開したうえでの敗北は、次期衆院選に黄信号がともった格好となった。

 新テロ対策特別措置法案をめぐる臨時国会での与野党攻防が激しさを増す中、与党内には「民主党が辞意騒動のダメージから回復し、攻勢を強める」(自民党幹部)との懸念が強まる。18日夜、伊吹氏が「自治体選挙は地域の特殊事情もあり、直ちに国政に影響を与えるものではない」とのコメントを発表し、あえて国政への波及に予防線を張ったのも危機感の裏返しだとみられる。

 一方、民主党は今回の勝利で大連立騒動に区切りをつけ、次期衆院選への態勢を整える構えだ。

 小沢氏は15日に大阪入りした際、辞意騒動について記者団に「大連立という言葉だけが先走ったが、選挙戦で戦って勝つこと自体は何も変わらない」と釈明していたが、勝利によって対決姿勢が明確にできた形。勝利を受け、菅直人代表代行は「心配をかけたが、民主党が参院で多数を持った意味が理解してもらえた」と語った。

 また、鳩山由紀夫幹事長は「大連立を断ったことが『自民党に負けるな』という有権者の意思表示につながった」と指摘。赤松広隆選対委員長も「小沢代表が続投を決めてから初の大きな選挙で勝った意味は大きい。今後の選挙にも弾みがつく」と述べており、民主党は国会論戦の主導権を握るための攻勢をさらに強めていく方針だ。【野口武則、渡辺創】

毎日新聞 2007年11月18日 22時08分 (最終更新時間 11月18日 23時52分)

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