伊達市内に安らぎの音色を響かせる「平和の鐘」の除幕式が17日、網代町広場で行われた。太平洋戦争中、旧国鉄の札幌鉄道病院有珠分院で空襲を知らせた鐘が60余年を経て「戦後平和の象徴」としてつるされた。

建立実行委員会(泉隆会長)が市民から寄付を募り、同公園への設置許可を受けて御影石製の鳴鐘台(幅2.5メートル、奥行き2.5メートル、高さ3.2メートル)を建設。ここに安心、安全のシンボルとなる真ちゅう製の鐘をつるした。
この鐘は空襲警報に使われ、有珠分院の入院患者や職員の避難に役立てられた。戦後は虻田カトリック教会に移され、優しい音色で住民の心を癒やした。昭和62年に文化財として伊達市に寄贈され、市噴火湾文化研究所が保管してきた。
郷土史家の泉会長がこうした変遷を調べ上げ、「平和の鐘」としてよみがえらせるプランを練り、建立実行委員会を組織してモニュメント設置を目指してきた。完成した鳴鐘台には「建立の趣旨」も彫り込んだ。
除幕式には関係者約30人が出席。大坪鉄雄副市長、小泉勇一市議会議長らが覆いを外し、晩秋の空に向かって鐘を打ち鳴らした。
【写真=「平和の鐘」の覆いを外す除幕式出席者】
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