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入国審査に指紋 テロ対策、外国人対象に20日から運用
16歳以上の外国人を対象に、入国審査で指紋と顔写真の提供を義務付ける改正入管難民法が20日施行され、全国の27空港や126の港で一斉に運用が始まる。こうした「生体情報」採取システムは、米中枢同時テロ後に導入した米国に次いで2番目。政府はテロ対策のためとしているが、日弁連や人権団体などから「情報の保存期間が不明で、犯罪捜査に際限なく利用される」と懸念の声が出ている。
新システムでは、スキャナーで両手人さし指の指紋を読み取り、続いて顔写真を撮影。パスポートに記載された氏名などの情報とともに電磁記録として保存する一方、過去に強制退去処分を受けた外国人や警察による指名手配者など、計80万〜90万件の生体情報データベースとその場で照合する。指紋や顔写真の提供を拒んだり、生体情報がデータベースと一致した場合、別室で特別審理官による口頭審理などを経て、強制退去や警察への通報などの処分を受けることがある。
16歳以上でも、(1)在日韓国・朝鮮人ら特別永住者(2)外交・公用での来日(3)国の招待者−などは制度の対象外。入管が収集した情報は捜査当局が必要に応じて照会し、利用できる。保存期間について、法務省は「テロリストに有益な情報を与えることになる」として明らかにしていない。
日本人や特別永住者らが事前に指紋を登録しておき、指紋照合だけで出入国できる「自動化ゲート」も20日から、成田空港で先行導入される。