「子どもの権利条約」の普及を目指し、意見交換や交流を行う「子どもの権利条約フォーラム2007inながの」(実行委員会主催、長野日報社など後援)が17日から2日間に日程で諏訪市文化センターで始まった。両日で約400人(実行委発表)が参加を予定。初日は基調講演やシンポジウムを行った。18日はテーマごとに分かれ、分科会を開く。
子どもの権利条約は、基本的人権が子どもにも保障されることを定めた国際条約で、1989年に国連で採択され、日本は94年に批准した。フォーラムは、条約が採択された11月20日を中心に93年から毎年、全国各地で開かれており、今回で15回目。県内では初の開催となる。
基調講演は、子どもの権利条約ネットワーク代表で早稲田大教授の喜多明人さんが「子どもの権利条約・今」と題して話した。喜多教授は「子どもには自分自身で育つ力があり、それを保障しているのが条約」と強調。しかし、「少子化で大人の力が強くなり、なかなか自分を出せない社会になっている」とし、他者や周りから認められた経験がなかったり、痛みを受け止めてもらえていない子どもはほかの人にもやさしくできず、いじめなどの問題につながっていると指摘した。
その上で、「日本では『権利』と言うと、利己的とか自己主張が強いといった、いいイメージがない」と話し、「権利」と訳された英語の「ライツ」の本来の意味である「当たり前のこと」として社会的に認めていくことが必要と訴えた。
続いて、中高生の居場所「CHUKOらんどチノチノ」(茅野市)の関係者らによるシンポジウム「こんなまちに住みたい」を開いた。会場の同センターには社会や大人に言いたいことを書けるコーナーや、タレントやスポーツ選手などから子どもたちに贈るメッセージが書かれた絵馬を展示した「夢メッセージ展」も開かれている。
18日は午前9時半から、同センターや近くの市公民館など14会場に分かれて分科会を開催。午後一時から、各分科会の報告などを行う。