私の息子は今、
安彦麻理絵さんの娘さんと
きょうだいになっている。
安彦麻理絵さんの元夫・大塚正美さんと、
私の元妻・南Q太さんが結婚したためだ。
安彦麻理絵さんの娘さんの親権は元夫側が、
私の息子の親権は元妻側が持ったのだ。
安彦麻理絵さんは
今も娘さんとはよく会っているようだ。
娘さんの運動会には、
元夫と一緒に参加したらしい。
なのに、
どうして私は今、
自分の息子と会えないのだろう。
私は離婚調停でも離婚訴訟でも、
「息子と定期的に会いたい」
ということだけを唯一、主張した。
裁判所で細かい取り決めをして、
息子が小学生になったら
泊まりでの「面接」
(変だけど法的にこういう用語をつかう)
もオーケーということになっていた。
私の側には、
法的な「離婚原因」はなかった。
もちろん「法的な」であって、
いろいろな面で、
至らない夫だったと今は思っている。
しかし、
愛する息子に会うことができないほど、
人としてまちがっていたとは、
以前も現在もまったく思えない。
拙著『あるきかたがただしくない』や
『結婚失格』に書いたように、
元妻は結局、約束を守らなかった。
安彦麻理絵さんや大塚正美さんは昔、
「我が家」に遊びにきていたから、
大塚正美さんと私は一応面識がある。
なので手紙を出したり
mixiメッセージを出したり、
私の代理人弁護士を通じて
「話し合いをしましょう」
と提案したりもしたが、
それも現在まで全部無視されている。
どうしてこうなってしまったのか、
私にはまったくわからない。
安彦麻理絵さんでもいいし、
それ以外の、
元妻の味方になっている人でもいいから、
私に、
その「理由」を教えてくれないだろうか。
南Q太さんと大塚正美さんは一生、
こんな調子で私を無視するのか。
同じ出版界にいるのに。
私の知人にも、
大塚正美さんと仕事をした人が
三人くらいいるのに。
大塚正美さんは
リットーミュージックにおつとめだが、
私は会社に電話をかけたり、
会社に押しかけたりは一度もしていない。
押しかけるべきだったか、
と思うときもある。
押しかけてもいいような、
理不尽なことをされているんじゃないかと、
思ってしまう夜もある。
けれども、
私の息子の父親になってくれた人だから、
なにか考えがあってのことじゃないかと
善意に解釈したくなってしまうし、
息子が大塚正美さんのことを
父親だと思っているのだとしたら、
息子が傷つくようなことはしたくない、
そう思って我慢してきた。
けれども、
元妻がネット連載したエッセイ漫画(連載は終了)
http://bloom.villagebooks.co.jp/news/index.shtml
によると、
息子は学校の勉強についていけず、
運動も苦手で、
休み時間もひとりぼっち、
クラスの問題児なのだという。
私は運動のできない子供だった。
勉強も大嫌いで、
漢字テストはいつも0点だった。
ただ、
口が達者だったし、
低学年の頃は
「成績にムラのある優等生」
だった。
興味のあることしかできない。
遠足のとき一人だけ服装がちがう。
先生の話を聞いてないからだ。
医師に相談したことはあるものの、
専門家の診断を受けたわけではないので
ほぼ自己診断だが、
「アスペルガー症候群」
というのが、
自分の言動に当てはまる気がしている。
それで、
私の息子も同じだったら……と心配して、
大塚正美さんに、
そのことを告げるメールを出したが、
まったく音沙汰がない。
大塚正美さんは
じつの父親ではないから、
私の息子の成績が悪くても
アスペルガー症候群でも
気にしないのだろうか。
いや、気にしてるからこそ、
私に口出しをされたくないのか。
とにかく、
一切合切の情報が遮断されているから、
私は悶々とするだけで、
何もできずにいる。
私はせめて、
息子にちゃんと会って、
「父親である自分も、
運動も勉強もできなかった。
大人になって興味を持てば、
漢字くらい書けるようになるから大丈夫。
運動は、小学生中学生までは
苦手だとミジメだけど、
高校生くらいになれば、
運動以外のことで評価される
チャンスが増えるから、
楽器をやるとか絵をかくとか、
何か得意なことを見つければいいよ。
でもごめん、
僕の血をひいてるから、
もしかしたら色弱かもしれない。
その場合、
美大受験は無理かもしれないが、
色弱でも活躍してる人は大勢いるよ」
みたいなことを、
言ってあげたい。
安彦麻理絵さんは、
いつも赤裸々に自分のことを
描いたり書いたりしてる表現者なのに、
http://abikomarie.cocolog-nifty.com/blog/2007/11/post_ad64.html
この書き方は、
ちょっと、ないのではないでしょうか。
あなたの娘さんは今、
「友人の南Qちゃん」が育ててるでしょう?
私にとっては、
元妻のネット連載エッセイ
http://www.chikumashobo.co.jp/new_chikuma/
だけが、
子供たちの動向を知る唯一の情報源だ。
読むたびに相変わらず、
生きるのがつらそうなので胸が痛む。
彼女にはあらかじめ「苦しみ」があり、
苦しみの原因はその苦しみの穴を
埋めるように随時発見される……
そんな印象が私にはある。
新しい家族が幸せであるよう、
祈っているのは私もだ。
私のことを敵対視している人々には
信じられないかもしれないが、
本当に祈っている。
だから今まで、
書きたくても書かずに我慢してきたことが
たくさんある。
でも、
これ以上我慢すると、
私自身が壊れてしまいそうだ。
南Q太さん、
大塚正美さん、
安彦麻理絵さん、
そして、
元妻の味方になろうとするあまり、
私に対して様々なことをしてきた
編集プロダクション「シュークリーム」の皆さん。
私の息子は元気でしょうか。
息子のことを教えてください。
南Q太さんは
私より圧倒的に売れている物書きだ。
もしそうでなかったら
(南Q太さんに反論の機会がなかったら)
私は、
離婚のことを文章に書いたりしなかったと思う。
南Q太さんは今、
「反論の機会」を与えられていない、
現パートナーのご両親を批判するエッセイを
書いたりしているけれども、
そんなことを書く前に、
私に対して、
何か書くべきじゃないだろうか。
どんな悪口でもいい、
言い分があるなら書いてほしい。
無視されるよりはマシだ。
私の両親は突然、
「ふたりの孫」と会えなくなった。
そのことをいつもひきずっている私は、
大塚正美さんのご両親の気持ちも想像する。
もちろん、南Q太さんの気持ちも想像する。
けれども、
いちばんに想像するのは、
子供たちの気持ちだ。
「面接交渉権」というのは、
私に与えられた権利であると同時に、
息子に与えられた権利でもある。
息子は、父親に、会う権利がある。
息子と会わせてほしい。
私が望むのはそれだけです。
南Q太さん大塚正美さんご一家と、
安彦麻理絵さんの新しいご家族が幸せになるよう、
心からお祈りしています。
ご協力できることがあれば、したい。
その「協力」が、
「一切関与しないこと」であるというなら、
そう強く主張して、
私を説得してほしい。
本当に、
関与しなくて、
息子は大丈夫なのか。
私は何も知ることができず、
何も確信できない。
何年経っても、
「離婚」は私の日常だ。
そこから一歩も踏み出せない。
無視はやめてください。
話し合いに応じてください。
どうぞよろしくお願いします。