高級料亭吉兆グループの船場吉兆(大阪市)の牛肉産地偽装事件で、兵庫県の「但馬牛」などと偽って販売された九州産牛肉を、同社の湯木正徳社長(74)が自ら福岡県の食肉販売会社に注文したケースがあったことが17日、関係者の話で分かった。
食肉販売会社との取引は2004年ごろに本格化したことも判明。大阪府警生活環境課は船場吉兆が長期間にわたり、会社ぐるみで偽装していたとの見方をさらに強めている。近く役員らから事情を聴く方針。
関係者によると、船場吉兆と食肉販売会社は、約6年前に幹部らが知り合い、3年前から定期的な取引を始めた。食肉販売会社は電話で注文を受け、月に2回程度、1回に20-40キロ、主に鹿児島県産や佐賀県産の牛肉を納入していた。但馬牛は扱っていない。
船場吉兆の仕入れ担当者のほか、湯木社長が注文の電話をしてくることもあり「肉がなくなりそうなので、いいのを送ってくれ」などと伝えていたという。