九州ねっと/西日本新聞
全国の特産品を購入できる「47CLUB」オープン!
  • 新聞奨学生
  • クリッピング
  • サイトマップ
  • 会社案内
  • 採用案内
  • 西日本新聞データベース
  • 新聞購読の申し込み
  • Webクラブ
文字サイズ


子育て支援に関する記事

2007年6月07日

「いじめの真相開示を」 遺族らシンポ森さんら訴え 神戸

 いじめや事故で子どもを亡くした遺族らによるシンポジウムが3日、神戸市内で開かれ、昨年10月にいじめを苦に自殺した福岡県筑前町の森啓祐さん=当時(13)、三輪中2年=の母親ら遺族約50人が出席、弁護士や教育専門家らとともに「第三者機関による調査の必要性」や「調査内容の遺族への開示のあり方」「学校や行政の隠ぺい体質の改善」などについて意見を交わした。

 学校をめぐる自殺や事故などの真相究明、再発防止を願う遺族らでつくる「全国学校事故・事件を語る会」(内海千春代表世話人)の主催。

 森さんのケースは、町教委が設けた調査委員会が最終報告書の中でいじめの事実や自殺との因果関係を認めたが、母の美加さん(36)はシンポの事例報告で「報告書では、なぜ息子が命を絶たねばならなかったのかとは明らかになっておらず、いじめたとされる生徒への聞き取りもされていない。啓祐の気持ちに寄り添いたいという思いは今も変わらず、事実を知りたい」と訴えた。

 また、遺族の多くが真相を知りたいという理由から訴訟に踏み切ることにも触れ「調査で事実が明らかになれば裁判を起こす人はなくなっていくと思う。事実を被害者の家族や遺族に伝えるシステムが必要」と提言した。

 討論会もあり、パネリストを務めた兵庫県川西市の調査機関「子どもの人権オンブズパーソン」元調査専門相談員の住友剛さん(37)は「調査機関は専門家や大学教授をメンバーに選べばよいというものではない。どういう運営方針で何を解明していくのかが重要」と指摘。同会代表世話人の内海千春さん(48)は「事実の解明は、再発防止のためにも遺族がその後の人生を歩んでいくためにも不可欠だ」と結んだ。

 遺族への情報開示をめぐっては、森さんや他の遺族らが5月25日、東京を訪れて「親の知る権利」を求めた要望書を安倍晋三首相や各党代表あてに提出している。

=2007/06/04付 西日本新聞朝刊=