2007年11月18日日曜日


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19病院で産科消える

医師不足が深刻化 県内

2007年11月18日09時41分

 国の医療制度改革が本格化してから、県内で産科があった十九の病院で、廃院もしくは産科の廃止・休止が相次いでいる。救急搬送中の妊婦が十数回も受け入れを断られた事例も発覚、国は医師の偏在を主張している中で、いずれの病院も廃止・休止の理由を「医師が確保できない」と口をそろえており、産科医不足が急速に進んでいることが浮き彫りになった。

 県医療整備課によると、二〇〇二年度から開院した産科・産婦人科のある病院は八千代市の東京女子医大八千代医療センターのみ。一方で、廃院したのは大多喜町の川崎病院をはじめ四病院。産科・産婦人科を廃止したのは、八千代市のセントマーガレット病院など六病院。産科・産婦人科(ぶんべつ)の看板を掲げながら分娩できない休止中の病院は船橋市の千葉徳洲会病院など九病院。

 「廃止」とされた千葉社会保険病院は「あくまで休止。医師がいればすぐにでも再開したい」と反論するが、「退職をした後の補充がない。非常勤の先生しかおらず、お産ができない」と嘆く。

 国保匝瑳市民病院は「休止として医師の募集はしているが、産科病棟はなくなっている」と事実上の廃止を認めた。〇三年一月には小児科も休止していることから、「他の科も医師確保が難しくなっている。特に産科は二十四時間体制で仕事が厳しい」と話した。

 また、白井市の白井聖仁会病院は、一九九六年十二月に分娩を取りやめていたといい、県も県内全体の実態を把握しきれていない。

 事実、「休止」とされた千葉市若葉区のみつわ台総合病院は、「すでに保健所に再開する考えはないと届け出た」とし、銚子市立総合病院は「助産師も辞めた。(産科病棟の)療養病棟への切り替えを検討中」という。

 妊婦の受け入れ拒否問題について同課は、「かかりつけ医がないケースだった」と廃止・休止の増加との関係は否定。ただ、産科・産婦人科医師の不足は「医療訴訟も多い。労働環境も厳しい」と分析した。

 国がまとめた二〇〇二年と〇四年の県内産科・産婦人科医師数の比較では十二人増えているが、病院の廃院・廃止・休止は〇四年以降がほとんど。

 同課は「国は医師不足ではなく、偏在しているというが、現場は不足しているという声しかない」と国のとらえ方に首をひねった。


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