中国・江蘇省昆山(こんざん)市淀山湖鎮(てんざんこちん)に進出している洋服メーカー「冨田(とみだ)」(愛知県一宮市)が、地元政府ぐるみの企業乗っ取りで業務を妨害されているとして、中央政府の商務省に救済を求める異例の直訴を行った。
同社の冨田博社長(63)は同市政府認定の「名誉市民」だが、「一部の役人が私利に走り、称号も役に立たない」とお手上げの状態。政治腐敗が外資のチャイナリスクとして表面化した形だ。
「冨田」は1992年、昆山市にある国営企業と合弁でスーツなどを生産する縫製工場を設立、99年に同社と中国の関連会社が全株を買い取った。昨年の年商は8000万元(約12億8000万円)で、従業員は約650人。
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