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【社会】

F2炎上、原因は誤配線 上下、左右を逆に接続

2007年11月16日 朝刊

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 愛知県豊山町の県営名古屋空港で先月31日、定期点検中の航空自衛隊F2支援戦闘機が離陸に失敗、炎上した事故で、防衛省事故調査委員会は15日、機体の向きを制御する機器の配線が誤っていたのが原因だと発表した。点検を請け負っていた三菱重工業も整備不良を認め「ご迷惑を掛けた」と陳謝した。調査委と愛知県警は整備時に配線の接続を誤ったとみて、整備状況について調べを続ける。

 調査委によるフライトレコーダー(飛行記録装置)の解析で、操縦を補助する飛行制御コンピューターが機体の向きを誤認していたことが判明。機器類を調べると、機首の上下を感知する「ピッチ・レート・ジャイロ」と、機体の横回転を検知する「ロール・レート・ジャイロ」の配線が入れ違ってコンピューターに接続されていた。

 このため、操縦士が操縦かんを引いて機首を上げたのに、コンピューターは「機首が上がっていない」と誤認し、機首を上げ続けるように水平尾翼を動かした。

 上昇角度に異状を感じた操縦士が操縦かんを押して機首を下げたが、今度はコンピューターが「下がっていない」と誤認、下降方向へ大きく水平尾翼を動かし、墜落したとみられる。

 事故機は今年5月から、三菱重工名古屋航空宇宙システム製作所小牧南工場で、3年に一度の定期点検を実施。問題の配線も一度、外した上で組み立てて、試験飛行をするところだった。

 

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