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サムスン裏金疑惑、大統領府に飛び火か

ハンナラ党が特別検事法案を提出

 サムスン・グループの裏金疑惑究明に向け、特別検事法を制定する動きが加速する中、野党ハンナラ党は15日、捜査対象を盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領の選挙資金や「当選祝賀金」にまで広げた特別検事法案を国会に提出した。同法案が可決された場合、盧大統領が退任後に取り調べを受ける可能性が出てくる。

 ハンナラ党が提出した特別検事法案は「大統領選挙の不正資金と最高権力層に対するロビー活動疑惑」を捜査対象に含めた。同党の朴亨埈(パク・ヒョンジュン)スポークスマンは「裏金問題の本質は金大中(キム・デジュン)政権と盧武鉉政権下で起きた(サムスンによる)政権ロビー事件だ。サムスンが多額の裏金をつくり使ったとすれば、大部分が政権に対して使われたのは火を見るより明らか」と主張した。ハンナラ党はいかなる根拠も示していないが、解明を進めれば権力が絡んだロビー事件に発展すると確信している様子だ。

 大統領府は根拠がない政治攻勢だとして反発している。千皓宣(チョン・ホソン)報道官は15日、「当選祝賀金や謝礼金というのはハンナラ党が書いた小説だ。大統領選挙の資金に捜査に当たり、むしろはっきりと調べられなかったのは数百万ウォンに及ぶハンナラ党の選挙資金の使い道だ」などと真っ向から反論した。別の関係者は「検察が捜査に着手するには、告訴や告発、なんらかの犯罪認知など手掛かりがなければならない。何の端緒もないのに特別検事制を導入しようというのは話にならない」と指摘した。

 大統合民主新党の立場はほぼ大統領府と同じだが、派閥ごとに温度差がある。親盧武鉉陣営の関係者は当然強く反発しているが、鄭東泳候補陣営の広報担当者は「手掛かりがあれば手を付けることになるが、ハンナラ党の攻勢という性格が強い」と静観ムードだ。現時点で同党がハンナラ党の特別検事法案に賛成する可能性は低いとみられるが、鄭候補が選挙戦略上の理由から賛成に回れば、大きな波紋を呼ぶことになりそうだ。

 また、大統領府が大統合民主新党、民主労働党、創造韓国党の3党による特別検事法案の捜査対象を縮小するように要求してきたことをめぐっては、民主新党の金孝錫(キム・ヒョソク)院内代表はいったん受け入れ意思を示しながら、崔宰誠(チェ・ジェソン)スポークスマンが否定するなど、足並みがそろっていない。

辛貞録(シン・ジョンロク)記者

朝鮮日報/朝鮮日報JNS
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