救急当番医の24時間受け入れ困難

 千歳市内の救急医療体制が大きな転機を迎えている。医療機関が24時間体制で患者を受け入れているものの、医師不足や高齢化で対応ができなくなったため。千歳医師会(尾谷透会長)は、2008年度からの現行制度の維持が困難な方針を示したことを受け、市は新たな体制づくりへの検討に入った。
 市内の救急医療体制は大きく市内の医療機関の在宅当番医制による一次救急と、急病告知の二次医療の二本立て。1986年度から市が医師会に業務を委託。当番医に当たると、24時間患者を受け入れている。救急患者は年間2万人を超えるなど多忙だ。
 協力する医療機関が限られており、当番医で深夜勤務をこなし、その翌日も平常勤務に就くなど医師の勤務は過酷。軽い病気でも救急外来に行く患者は多く、「コンビニ化している」との指摘もある。
 さらに▽臨床研修医制度の改正で大学医局からの担当医師派遣が困難▽看護師などスタッフ不足▽救急業務に協力する医師の高齢化―から、医師会は「来年度、千歳の医療機関だけでは責任を持った対応ができない」(市民環境部)との方針を示した。
 「当番医の診療時間の短縮」が有力視されるが、対象科目や短縮後の時間帯のフォローなど課題は多い。市は「あくまでも市民の安全安心のため、ぎりぎりまで医師会と協議していきたい」と話し、年度内には新たな体制を決めたい意向だ。
 

レラに高さ10mイルミネーション

鮮やかなイルミネーション
 千歳アウトレットモール・レラ(入江武人総支配人)に、華やかなイルミネーションがお目見えした。ドーム内のメーンツリーは5万4000個の電球が輝く道内最大規模。17日に点灯し、来年2月14日まで買い物客に光の演出をプレゼントする。
 冬の北海道の魅力を全国に発信しようという試み。トゥインクルレライルミネーション2007と銘打ち、施設全体を約10万個の電球で飾る。
 2期拡張分で造ったレラドーム中央には高さ約10メートルのツリーがお目見え。「光輝く海に浮かぶ流氷」がテーマで、台座部分は強化ガラスの下に電飾を敷き詰めて海を演出。その上にそびえるツリーは青や白、緑など7色の色彩が順次変化していく。
 米国や欧州の雰囲気が漂う施設に、透明で幻想的な光が広がり、買い物客も思わず立ち止まって見入っている。
 イルミネーションはレラアトリウム前やレラプロムナードにも飾られている。期間中は参加店舗でスタンプラリーも実施する。
 

目の前でサケが産卵
観察窓で産卵行動を見せるペア
 千歳サケのふるさと館の地下に設けられている水中観察窓の前で、千歳川を遡上(そじょう)してきたサケが産卵行動を見せている。
 ふるさと館の観察窓からは秋に上流を目指すサケを見ることができるが、今年は遡上が振るわなかったことから冬場の産卵行動が楽しみにされていた。例年、観察窓前の産卵行動は11月末から見られるようになるが、今年は2週間ほど早い。
 まだ数は少ないものの、雌が川床を掘る様子や、雄同士のけんか、雌へのアピールなど産卵までのさまざまな「儀式」を目の前で見ることができる。サケは自分が産み落とされた場所にピンポイントで戻る―とも言われており、ふるさと館は「タイミングが良ければ産卵の瞬間にも立ち会うことができる」と話す。
 

J8成功へ職員大忙し

J8担当の徳永さん(左)と松崎さん
 来年7月のJ8サミット2008千歳支笏湖開催へ向け、担当する千歳市職員が大忙しだ。現在、2人体制で関係機関との調整や組織づくりに奔走する。市民協働での事業も計画しており、「市民の協力を得て成功させたい」と張り切っている。
 J8担当は徳永隆主幹と松崎正信主査。庁舎が手狭で暫定的に地階の一室に机を並べている。開催は来年7月だが、「仕事がたくさんあってどうしようかと思った」と口をそろえる。市内の歓迎ムードを盛り上げる看板などの製作から、年明けの発足に向けた市民を含めた実行委員会組織づくり、外務省やユニセフとの調整など盛りだくさんだ。
 当面、J8そのもののプログラムを外務省と詰めながら、市の役割や支援体制、情報発信などの基本方針づくりを進める。27日には支笏湖地域での説明会を予定しており、地域の人たちの知恵も借りる予定だ。
 多忙な仕事でも国際会議へのやりがいを感じている。徳永主幹は「静かなたたずまいの支笏湖が国から認められたことは意義がある。何とかまちづくりに生かせたい」、松崎さんも「大変重い役割。千歳に住んで良かったと思えるような事業を手掛けられれば」とそれぞれ意気込む。
 市は今後人員増も含めて体制を強化していくが、実行委も含めて多くの関係機関の協力が不可欠。「市民の多くの皆さんに手伝ってもらいながら成功させたい」と話し、市民ぐるみでの盛り上げに期待している。
 

早くもインフルエンザ流行の兆し

 千歳保健所によると、4日までに同保健所管内で今シーズン最初のインフルエンザ患者が発生、5日から11日にかけても13人のインフルエンザ患者が報告されている。昨年、インフルエンザ患者が出始めたのは12月に入ってからといい、例年より早い流行の兆しをみせている。
 道内全体でも例年、この時期は数人程度の患者数にとどまっていたが、今年は11日までに約1000人が報告されており、学級閉鎖する学校も出てきている。
 保健所管内の患者は子供から大人まで年齢幅もあり、10―14歳代が最も多い。発熱など一般的なインフルエンザの症状という。
 流行の兆しが見えてきたことから、保健所は14日に管内の医師会、医療機関、社会福祉施設に、「今年の冬のインフルエンザ総合対策の推進について」との通知を出した。予防接種や手洗い、うがいの励行など注意を呼び掛けている。
 

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