倉敷市立児島市民病院(同市児島駅前2丁目、198床)の06年度決算は、診療報酬の引き下げや市からの補助金削減で減収となったものの、人件費を抑制したことで、4137万円の純利益を計上。補助金を差し引いても956万円の利益となり、1986年度以来の黒字となった。総収益は25億6530万円で4・9%の減収。診療報酬引き下げで入院、外来の医業収益は6716万円と3・0%減少し、医業外収益も市の補助金が3181万円と59・2%減の大幅減となったことなどが影響した。一方、総費用は25億2393万円で4・9%減。臨時、嘱託職員を含む職員数削減で職員給与費が2・7%減、薬品、診療材料など材料費も6・0%減となった。久しぶりに補助金を除く実質的収支は黒字となったが、24億3584万円の累積赤字が残る。また、入院患者に高齢者が多く、看護師の人手が必要なことなどから、民間病院では総費用に占める職員給与費の割合は5割程度に対し、同病院では6割を超えている。同病院は「補助金を除くと赤字になっていた要因は、人件費を中心とした高コスト体質。労働環境を悪化させ、現場にしわ寄せしようとは思っていないが、職員数の適正化は大きな課題」とし、今後も人員削減に取り組む方針を示している。