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臨床研修:大学病院に戻る若手医師は半分…全国調査で判明

 今春に2年間の臨床研修を終えた若手医師のうち、大学病院に戻った医師は約半数だったことが全国医学部長病院長会議の調査で分かった。関東地方では前年より増えて90%近くに達したが、中部地方以西では軒並み前年を下回り、中国、四国地方では30%を割り込むなど、地域間格差が広がった。

 同会議の地域医療に関する専門委員会が今年4月、全国のすべての医科大学と大学医学部計80校を調査した。従来は医師免許取得後、すぐに大学の医局に入って専門的な研修をするのが一般的だったが、04年4月から幅広い臨床研修が必修化され、研修先を自分で選べるようになった。

 調査によると、05年に医師免許を取って2年間の臨床研修を終えた者のうち、大学に戻った医師(他大学出身者を含む)は52.0%(前年は51.2%)で、新制度開始前の02年と比べ20.1ポイント減の低水準にとどまった。

 地域別では、関東が前年の67.4%から89.2%に大幅に増加した一方で、近畿は41.1%(前年比12ポイント減)、九州は46.7%(同9.5ポイント減)と大きく減った。中部は35.1%(同6.3ポイント減)、中国は29.8%(同6.2ポイント減)、四国は23.3%(同6.9ポイント減)しかなかった。東北、北海道は微増だった。

 専門委員長の小川彰・岩手医大医学部長は「関東でもほとんどは東京、神奈川で、首都圏への一極集中が進んでいる。大学病院に若手が戻らないと中堅医師を地域に派遣することも難しく、地域医療が崩壊してしまう。臨床研修制度の抜本的な見直しが必要だ」と指摘している。【西川拓】

毎日新聞 2007年11月16日 22時12分

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