甲府市下石田2の「杉田産婦人科医院」が10月から、分娩(ぶんべん)を取りやめていたことが分かった。杉田茂仁院長(70)は「後継者がおらず、年齢的にも厳しくなった」と話している。県内で分娩可能な医療機関は8病院、9診療所の計17機関となった。
同医院は開業30年目で、杉田院長が医師1人で対応。長男(40)も産婦人科医で千葉県の病院に勤務しているが、「医師1人の開業は安全面で懸念を持っているようだ」(杉田院長)として、同医院を継ぐ予定はないという。同医院は現在、外来診療のみ受け付けている。
杉田院長は「開業したからには365日24時間働き、“人間的な生活”ができないと覚悟はしてきたが、この年になると『旅行にも行きたい』などと考えるようになった」と分娩取りやめの思いを話した。【吉見裕都】
毎日新聞 2007年11月17日