県の10保健所と長野市保健所で本年度上半期(4−9月)に行われたエイズウイルス(HIV)抗体検査件数は1755件で、前年同期の1・5倍に増加したことが16日、県衛生部のまとめで分かった。同部は、検査結果が当日中に分かる「迅速検査」を昨年9月に県の全保健所で導入した効果とみている。
県は、人口10万人当たりのエイズ患者、HIV感染者の届け出数(2002−04年の3年平均)が全国で2番目に多かったことを受け、迅速検査導入などのエイズ予防対策を昨年度から本格的に開始。昨年6月に長野、松本の2保健所で、同9月に残りの8保健所で、無料、匿名で受けることができる迅速検査を導入した。
同部によると、昨年度上半期のHIV検査件数は1141件で、このうち、1週間ほどで結果が分かる「通常検査」が579件、迅速検査は562件。本年度上半期は通常検査が530件だったのに対し、迅速検査は前年同期比2・2倍の1225件と大幅に増加した。
また、県は昨年10月から、県立須坂(須坂市)や信大医学部付属(松本市)など県内8カ所のエイズ治療拠点病院でも無料の迅速検査が受けられるようにし、9月までの1年間に受け付けた件数は452件だった。
県は、25日−12月1日の「『世界エイズデー』普及啓発週間」に合わせ、保健所での夜間検査や街頭検査を実施し、感染の早期発見やエイズ予防の普及啓発に重点的に取り組む計画だ。