2007-10-18 17OCT07
■ やっとトルコ情勢 
せっかく昨日日経さん、取り上げたんだからフォローがあってもいいのでは?など思う。
とりあえずこのへんが近いのかもしれないけどぉ。。。
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-28395020071018
(ロイター)
実際懸念は懸念だろうけど、とりあえず、昨日の段階よりもとりあえず米国はみっともない事態を避けることには成功し、その上で例えば結局PKKなわけですよ、とここにこれまでになくフォーカスが当たって(もともと当たってたわけではあるにせよ)、トルコが本気だ、あるいは本気にならざるを得ないんだという事態が世界中に知れわたったのが今回のゲインか、みたいに思う。まだまだ大変なことには間違いはないし、というか本質的には変わってないわけでしょう。確かにトルコ議会は越境を承認したが、昨日の夜遅く(北米東部時間で、だが)にトルコの首相が語ってように、それは今すぐとい意味ではないと手を置いている、PKK問題そのまま、が現状。
私としては、たいていの場合わやくちゃになりがちな中東域で、ここでグリップできんだなあ、この首相は、と率直に感心した。駆け引きも無論だし。軍を持つならこうあらねばだわなぁなど思ったりもした。
トロントの地下鉄の駅にあるモニター(お天気とか時間とかニュースとか表示される)でも、議会が承認で1画面、しかしエルドアン首相は、right awayじゃないよ、と2画面で、どうかな30ワードx2ぐらいかな、きっと、で、上手く伝えていた。たまたま夕べ興味深く読んだものばっかりだったので、まじまじと眺めてしまった。
で、そのへんのニュースが日本版になると、欧州は懸念で終わってしまうのかぁというのがちょっとなぁ・・・と思った。一緒の感覚がないわけね、みたいな感じか。
確かに、一緒の時間を過ごしているとは言えないものはあるわけだが、でもこれって結構この、世界的に一応このその、注目されるべき事態なのじゃまいかなど思う今日この頃。
それはそれとして、ペロシ議長がアルメニア・ジェノサイド非難決議を断念のニュースは今朝だだっと出て、時間差でずるずる各紙がフォローアップしていったようで世界を一周してた風。
まったく余分な火種を作って、結果的にはトルコの首相及びトルコがもろくないぞ、というのをお披露目するためにこそこの舞台を設定したようなものになったのがなんとも皮肉じゃまいか?
あと、アルメニアの提案もちょっと当分もう出せないのじゃないのかしら、なんても思う。
なぜなら、この間の議論の中で、最後は大物政治家がパニックになって止めに入って、理由はタイミング、同盟という話になったけど、10日間の間結構地道に露出していたのは、政治家が歴史的事象をジャッジするなんておかしい、それはあんたらの仕事じゃない、という声だったから。いわゆるインテリとういか大学関係者、法律専門家から普通のコメント欄の声まで、結構あった。慰安婦問題で恥を塗りつけられた私たちからすれば、もっと前に気付けよ、XXXX(ポリティカル・コレクトネスにより削除)ではあるけど、やっぱりこの、かかってるものが目に見えないとほんとーーーにわかんない人が多すぎるってことじゃないかと思う。
だって、こんな感じだし・・・
Some of the House members who withdrew their support for the resolution acknowledged that they had been unaware of the ramifications it could have. "Had I known when I signed the resolution that it would develop into this huge of an issue, I would have refrained from signing," said Rep. Lincoln Davis (D-Tenn.).
http://www.latimes.com/news/printedition/asection/la-na-genocide17oct17,
1,6732163.story?ctrack=2&cset=true
この提案の支持を取り下げたた下院議員の中には、こんな成り行きになるなんて気づいてなかった。署名する時にこんな大ごとになるなんて知ってたらしなかった、と語ってしまう議員さんがマジでいる。
ただし、ペロシさんとかは昨日あたりも良心の問題だとか言ってたから、もっとマシなことを言ってくれるとは思うけど、でもなぁどのぐらいそうなのか、結構お寒いかも。
また、この問題については、イギリス人の方がやっぱりこう、深いよなぁと非常に皮肉にそういいたいものもあって、times、telegraphなどは、アルメニア虐殺をただどっかでコピペしてもってきたような書き方じゃなくて、それなりにちょっと拡がりのある書き方というか、いつも朝日と仲間たちがやってるような例えば、これは歴史家が証明していると書くものの何にも具体的でない、みたいな糾弾調というか、もう決まってるから決まってる、それだけだ、というやり方じゃなくそれなりに説明している記事もあった。これはこれで、歴史家マターでもある一方で、もちろん自分で興味のある人にとっては自分で考えるきっかけにどぞ、というつもりと見た。
例えば、こんなの。(もちろん両方の側の極端な人は、常にどれでも納得しないわけだが)
Analysis: Turkey's Armenian massacre of 1915
http://www.telegraph.co.uk/news/main.jhtml?xml=/news/2007/10/11/wturkey211.xml
あと、慰安婦の時と同じで、あちこちでアルメニア、ギリシャ系の人たちが言えば言うほど、調子が高ければ高いほど・・・という展開も見たられたことを付記する。(ギリシャが参入するわけですよ、やっぱりという意味では個人的にはかなり面白く読んだ。メガリです、やはし)
そういうわけで、いろんなものが見えた事件だったけど、genocide certified by Congress のサーティフィケーションはストップ安、には違いないのが私はうれしい。
議会、それもよりによってアメリカの議会に歴史問題なんか語らせるな、XXXX(PC削除)!
■ ペロシ議長とトルコ問題顛末メモ 
気になったので日本語記事を探したが、結局昨日CNNが出した、
と、日経さんが社説で書いたのの2本ぐらいしかこの問題に触れていないのが日本の報道であったようだ・・・。
日経さんは頑張ったわけですね、要するに。私はぼけでした。
で、確かに上でも書いたようにイラクの現状についての本筋ではない。しかし、これは決して小さくないですよぉ、と私は印象を受けるなぁ。何にって、まずはアメリカに、しかしコアにはアメリカの民主党にとって。
もちろん、理屈を探せばこんなの些細と言っていえないことはないかもしれない、が、しかし、安全保障上の非常に重要なポイントをぶちこわしにしそうになった、という事件には違いないわけで、だからこそ数日前から現職、引退を問わず大物がぶちこまれて、必死こいて民主党議員を説得して退却させて間に合ったという事態となった。
ただ、そこらへんが大人と言えば大人なのかもしれないが(ニューヨークタイムスは最後っ屁の記事を書いていたが)、こんな問題にもかかわらず、さて、よっしゃ戦犯探し、にならないのは、そうなれるほど今のアメリカには余裕がない、まだ戦時中だ(経済も怖すぎる)ということも非常に大きいと思う。またこの余波で余計なことで言い争いをしているうちにイラクが台無しになったら元も子もない。だからここは飛ばす、と。
別の言い方をすれば、メディアは基本的にリベラル強しなので、まさか自分から反省会はしない、とも言うが、そこで突っ込まれないのは相手が基本的に軍をハンドルしている共和党なので、そんなことしてる場合じゃないと知っているからやらないとも言えるのかもしれない(草の根演説会では言う、言う、だろうと想像するけど)。
でもこれは、潜在的に大問題と思います。こういうことは多分ちょくちょくはないだろうと思えるのでこれもメモ。
Eight former U.S. secretaries of state also oppose the resolution: Alexander M. Haig, Jr.; Henry A. Kissinger; George P. Shultz; James A. Baker III; Lawrence S. Eagleburger; Warren Christopher; Madeleine K. Albright; and Colin L. Powell. They sent a letter to Pelosi last month urging her not to let the resolution reach the House floor.
http://www.cnn.com/2007/POLITICS/10/17/house.armenian/
大物政治家が動いて個々の議員を撤回させる一方で、ブッシュ大統領は議長に電話、さらには、国務長官経験者8名(下)が決議案を撤回するよう先月ペロシ議長に手紙を出していた、というのはそれだけでただごとではないのじゃないでしょうかしらん。パーティーの招待状ならあるだろうけど。
アレクサンダー・ヘイグ
ジョージ・シュルツ
ジェイムズ・ベイカー
ローレンス・イーグルバーガー
マデレーン・オルブライト
で、そういうビッグネームがどう普通の人に響くかはともかく、それにもかかわらず、いやそれでもやっぱりこれは少なからぬ選挙民は忘れないかもと見える。少なくともネタにはなるでしょう。で、民主にとってまずかったのは、そういう多少浮動票っぽい人だけでなく、民主の中の人でもコアの人でない限りちょっとついていけないようなことをしてしまったことでしょうか。例えば、政治家が歴史を判断するといった傾向で距離を置く人がまずいて、他には、いわゆる国際関係を協調的にと思っている人にとっても、これは完全にアウトだったでしょう。歴代国務長官の名前を見てもわかる通り、別にブッシュ応援派じゃないし。
アメリカンのダブル・スタンダードには本当に辟易します。まずはイギリス・オランダに対して残虐極まりないインド・インドネシアの植民地支配の非難決議をしろっつーの。
どうもコメントありがとうございました。2分ぶらいコメントの意味が把握できなくて、ああ、と気が付きました。日本って、アルメニア非難決議について民主党極端派と同盟を結んでるような人たちが好きそうな新聞、メディアというのが強い国だったのですよね。私はまったく迂闊でした。なんで取り上げられないのかしら、と若干不審に思ったけど気にしてませんでした。でもって、wikiでも2チャンネルでも、なんかおかしいなぁ、なんでこの人こんなに強硬にどっかから借りてきたみたいなトルコ極悪論を吐いているのかしら、なんて思ってもまだ気がついてませんでした。どうもどうも、今後ともいろいろ教えてくださいませ。
あと、お気持ちはまったくよくわかりますが、あえてマジレス(悪く取らないでくださいませ)。
いいえ、非難決議は急場の、今現在から向こうを救うために今できることでしかやるべきではない!と思いますです。