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「医療の現場から」
16日は、医師不足とあわせて深刻な問題となっている看護師不足です。
なぜ不足しているのか、病院はどう対応しているのか、取材しました。
就職して3年から5年の若手看護師を対象に開かれた研修会では、日頃の悩みやジレンマが率直に語られました。
過重労働などで仕事に燃え尽きて辞めてしまう看護師を食い止めるために県が初めて開いたものです。
医療の現場では、看護師不足が深刻です。
県の調査では、去年末時点で500人余りが不足しています。
主な原因は辞めていく人が多いことです。平成17年度の離職者数(840)は、採用者数(753)を上回っています。
県内最大規模の県総合衛生学院には今年、定員の100人を超えるおよそ110人が入学しました。
3年間の課程を経て国家試験に合格すると看護師となって巣立っていきます。
県内の看護職員の数は、年々増えて1万3千人を超えていますが、それでも不足しています。
医療技術の高度化や重症患者の増加、介護分野での需要が生まれるなど、看護師の必要性は年々拡大し、看護師不足は慢性化しています。
今年4月の県内公的病院の募集数は562人でしたが採用できたのは398人でした。
こうした中、看護師を積極的に採用しようと取り組んでいるのが富山市の済生会富山病院です。
ベッド数250のこの病院が今年4月に採用した看護師はあわせて13人、県が支援する「新卒看護職員に優しいモデル病院事業」に参加してあらたな教育体制を今年度からスタートしました。
現場での新人研修を充実させ、バーベキューなど病院外でのリフレッシュ研修も導入し、新人が働きやすい環境作りを目指しました。
病院が看護師の確保を急ぐ理由の一つにあるのが、「7対1」看護の導入です。
入院患者7人に対し、看護師1人を配置するものです。
看護師を増やして看護の質を高め、過重になりがちな労働環境を改善しようというのが狙いで、この最高水準の看護配置にすると診療報酬が格段に増えるのです。
現在、この病院では「10対1」看護ですが、「7対1」にすると、病院が受け取る入院基本料がおよそ2割高くなります。
済生会富山病院では、新人研修の充実などが功を奏し、来年春採用予定の看護師は今年より10人多い23人です。
中途採用も予定していて、7対1看護の実現まであとわずかです。
現在、県内で「7対1」看護を実施している病院は4つです。
資格を持ちながら、結婚や出産を機に辞め、働いていない看護師も多く、そうした人が再就職できるように労働環境を改善することも重要です。
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