サッカーの日本代表、イビチャ・オシム監督(66歳)が、15日未明、自宅で倒れてそのまま入院、日本サッカー界に激震が走った。監督は、脳こうそくで倒れたとされ、家族に付き添われて病院に緊急入院。順天堂大学医学部 浦安病院 脳神経内科・脳神経外科医師団 田中茂樹教授が中心になって治療を続けている。
オシム監督は、幸い手当てが早かったために意識は戻っているが、集中治療室にいるという。日本サッカー協会の田嶋専務理事が病院を訪ずれて容態を気づかい、川淵三郎キャプテンは緊急会見に臨んだ。

オシム監督の病状を発表し、言葉を詰まらせる川淵キャプテン
(写真 = Kimimasa Mayama/MPictures)
オシム監督は毎年オーストリアのグラーツで定期検診を受けるなど、健康には留意していた。2006年7月21日の代表監督就任以来、オシム・ジャパンのここまでの戦績は20試合12勝5分3敗。なお、2006年W杯前には当時のジーコ代表監督が急性胃腸炎で入院(翌日に退院)、1998年には当時の加茂 周監督が中東遠征の際に倒れたことがある。
川淵三郎キャプテン「本日、大変悲しいニュースをお伝えしなくてはならない。オシム監督が昨日2時(午前)プレミアの試合を見たあと、自宅で2階に上がろうというときに倒れて、病院に緊急入院をされています。症状は不安定な状態で、現在集中治療室で最善の治療を行っている。脳神経外科の医師団に治療にあたっていただいています。こういうときは病院の医師団に説明をしていただくのがいいと思うが、原則として会見は行わないということなので(協会が行った)。専務理事が直接現場に行きまして、いろいろな状況を聞いている。サッカー協会にとっても本当にショックだ。代表がどうのこうのではなく、オシム監督に命を取り留めて欲しい、と願っております。私からの報告は以上です」
田嶋専務理事「(激務だったのでは?)病院でも定期的にも健康診断を受けていたし、代表スタッフも常備薬をいつでも(万全に)備えていた。医師団、家族の了承を得て今日の時点でお話できることをお話した。ICUに入っているので、私が面会することはできず、ご家族が付き添っておられる。今後定期的に、みなさんにお伝えすることにしたいと思いますが、現時点でお話できるのはここまでです。倒れた時には、奥様が気がつかれ、その後、息子さん(アマル千葉監督)が対応をされたと思う。最近では浦和でACLを見ていたおり、小倉コーチと一緒に昨日もジェフの試合を見ていた。特に調子が悪かったとは聞いていない。ジェフ時代から検査をされていた」
◆オシム・ジャパンのこれまでの戦績
2006.08.09 ○日本2-0トリニダード・トバゴ(親善試合、国立競技場)
2006.08.16 ○日本2-0イエメン(アジア杯予選、新潟・ビッグスワン)
2006.09.03 サウジアラビア1-0日本●(アジア杯予選、サウジアラビア)
2006.09.06 イエメン0-1日本○(アジア杯予選、イエメン)
2006.10.04 ●日本0-1ガーナ(親善試合、横浜・日産スタジアム)
2006.10.11 インド0-3日本○(アジア杯予選、インド)
2006.11.15 ○日本3-1サウジアラビア(アジア杯予選、札幌)
2007.03.24 ○日本2-0ペルー(親善試合、横浜・日産スタジアム)
2007.06.01 ○日本2-0モンテネグロ(親善試合、静岡スタジアム)
2007.06.05 △日本0-0コロンビア(親善試合、埼玉スタジアム)
2007.07.09 △日本1-1カタール(アジア杯、ベトナム・ハノイ)
2007.07.13 UAE 1-3日本○(アジア杯、ベトナム・ハノイ)
2007.07.16 ベトナム1-4日本○(アジア杯、ベトナム・ハノイ)
2007.07.21 △日本1-1(PK4-3)オーストラリア(アジア杯、ベトナム・ハノイ)
2007.07.25 ●日本2-3サウジアラビア(アジア杯、ベトナム・ハノイ)
2007.07.28 △日本0-0(PK5-6)韓国(アジア杯、バレンバン)
2007.08.22 ○日本2-0カメルーン(親善試合、大分・九州石油ドーム)
2007.09.07 △オーストリア0-0(PK4-3)日本(欧州遠征、オーストリア)
2007.09.11 スイス3-4日本○(欧州遠征、オーストリア)
2007.10.17 ○日本4-1エジプト(親善試合、大阪・長居)
(取材=増島みどり)