2007年11月16日 更新

自分で考えろ!楽天・野村監督、田中の初オフに自主性求める

野村監督は田中に自主性を求めた

野村監督は田中に自主性を求めた

 楽天は15日、本拠地・宮城球場での秋季キャンプを打ち上げた。野村克也監督(72)は練習後、選手を集めてオフの大切さについて訓示。プロとして初のオフを迎える田中将大投手(19)には自主性を求めた。

 初めてのオフを迎える19歳を、あえて突き放した。野村監督は、来季も投手陣の柱として期待する田中に、プロとしての自覚を求めた。

 「田中に自主トレの指示? 人にいわれているようではダメ。自分で考えないと。アマチュアは強制、プロは自主性だ」

 普通の新人なら、初の自主トレに入る前に“宿題”を押しつけたいところだが、田中は違う。シーズン中もしっかりと課題を自覚し、修正に取り組む姿を見せていた。プロとしてのオフは初体験だが、田中なら自分の考えで実りある自主トレができると信じている。「自分で考えないとダメ? それはそう思います」と田中も野村監督の考えに同調した。

 「(課題の)クイックモーションがよくなったし、下半身も強化できました」と秋季キャンプの収穫が大きかっただけに、充実したオフの過ごし方を練っている。このキャンプでは減量にも成功し、シーズン中に96キロ近くあった体重も現在は91キロ。「まずは太らないことですね」と生活面から自らを律する。

 「自分の立場、力を認識しろ。オフの成果が来年につながる。来年はおれも3年目で節目の年。全員で優勝、最低でもAクラスを目指そう」

 キャンプ打ち上げの訓示では、選手全員にオフの重要性を説いた野村監督。目指すAクラス入りも、田中の活躍があってこそ。2カ月半の短いオフでも、進化を期待せずにはいられない。

(越智健一)

■田中の今後

 17日のファン感謝祭や、納会などの球団イベントに加え、受賞が確実な新人王の表彰などがあり、11月中は多忙。ひと区切りがつき次第、実家のある兵庫・伊丹市に戻り、自主トレを行う予定だ。「体を動かしたくても動かせないことが多いと思う。あまり休みは作りたくない」と話している。

★参加メンバー最年長・山崎隆「来年は優勝めざす」

 雨の中、野手陣はグラウンドを使って4000メートルリレー、投手陣は球場周辺のゴミ拾いを行った。選手会長の高須らベテラン勢が不在のため、参加メンバー中最年長となる31歳の山崎隆が、「今年は最下位を脱出できましたが、来年は優勝、Aクラスを目指して頑張りましょう」とあいさつ。一本締めで約1カ月間のキャンプを打ち上げた。

★FA宣言の福盛、野村監督に惜別のあいさつ

 福盛が秋季キャンプ最終日の宮城球場を訪れ、野村監督に惜別のあいさつをした。「いろいろと話ができたし、きちんとあいさつができてよかったです。『泣いて帰ってくるなよ』といわれました」と表情はスッキリ。メジャーとの交渉は代理人のアラン・ニーロ氏に一任しており、「決まるまではボクの口からはいえません」と吉報を待っている。