現在位置:asahi.com>スポーツ>一般スポーツ>国内> 記事 分裂バスケ溝深し 日本リーグ vs. リーグ2007年11月13日11時16分 バスケットボール男子のトップリーグの亀裂が深まっている。日本バスケットボール協会傘下のスーパーリーグが今季、日本リーグに改称してプロ化を本格的に目指す態勢を整えた。一方、協会を離れてプロリーグとして先行したbjリーグは新たに2チームを加えて拡大を図る。決して多いとはいえないファンを、二つのリーグが奪い合う。
プロでも集客苦戦 10月11日、東京体育館。日本リーグ開幕戦の日立―アイシン戦は5746人の観客を集めた。スーパーリーグ時代にはめったになかった観客数だ。 3シーズン目を迎えたbjリーグも10月30日の今季開幕戦、福岡―大阪戦で、会場のアクシオン福岡をほぼ埋める2465人を集めた。スーパーリーグ当時の福岡が経営破綻(はたん)した地だけに、プロであるbjの人気を示したかのようだった。 だが、2戦目以降は両リーグとも観客数は伸び悩んでいる。日本リーグは日立―アイシン2回戦が1473人。bjも福岡―大阪2回戦は1100人にとどまった。 プロリーグ化しても、すぐには集客につながらない現実をあらわにした。 「地域密着」方向は同じ もともとリーグ戦の興行は試合ごとに、開催地の都道府県のバスケットボール協会が仕切っていた。このため入場料収入などで黒字が出ても、チームには還元されなかった。 だが、不況で企業チームの休廃部が相次ぐと状況は変わった。サッカーJリーグのような地域密着型のプロリーグづくりが模索され、チーム側にも企業からの自立を目指す動きが芽生えた。 中心となったのが日本リーグの前身、日本リーグ機構(スーパーリーグと当時2部の日本リーグ)に所属していた新潟と埼玉だ。プロ化をためらう同機構に対して04年に脱退届を提出。地元企業の支援や試合での収益でチームを経営するbjリーグを05年に開幕させた。 刺激された企業チーム主体の日本リーグ機構と日本バスケットボール協会も、各チームが試合の興行権を持つ日本リーグ発足に動いた。今のところ実際に興行権を持つのは3チームだが、リーグ側は5年後までに全チームが興行権を持ち、プロチームとして独り立ちすることを目指している。 地域密着によるプロ化を目指すことでは、bjも日本リーグも変わらない。「ファンやスポンサー開拓のために協力するべきだ」との声も出ているが、かつての対立のしこりが残り、分裂が解ける動きは表面化していない。 協会も混乱 仲介できず トップリーグの分裂には、今年度予算をいまだに決められない日本バスケットボール協会の混乱も影響している。昨年の男子世界選手権で約13億円の赤字を出した責任を巡り、執行部と反執行部が激しく対立。日本、bj両リーグの仲介どころではなくなっている。 国際舞台での日本代表の苦戦も両リーグの人気に影を落とす。今夏の北京五輪予選は徳島市で開かれたものの、地の利を生かせず過去最低の8位。日本で開催された男子世界選手権を機にメディア露出が増えながら、人気には結びつけられなかった。 スポーツ番組の制作に長く携わってきたスポーツプロデューサーの杉山茂さんは「バスケットという一つ屋根の下にいるのに、リーグが二つあるのは世の中の人にわかりにくい。世界選手権を開いたことも生かせておらず、現状はいい方向とは言えない」と指摘している。
〈日本リーグ〉 日立、トヨタ自動車、東芝、オーエスジー、アイシン、三菱電機、パナソニックの企業チームと、新規のプロチーム、レラカムイ北海道の計8チームが参加。スーパーリーグを発展解消し、各都道府県協会が持っていた試合の興行権を各チームが持つプロリーグへの脱皮を図る。
〈bjリーグ〉 日本バスケット界初のプロリーグとして05年に6チームで開幕。毎年二つずつチーム数を増やし、現在は東カンファレンスに東京、仙台、新潟、埼玉、富山、西カンファレンスに大阪、高松、琉球、大分、福岡が参加。来季は日本リーグから転籍するオーエスジーと、滋賀が参入する。いずれの参加チームも株式会社になっている。
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