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どうする地方

産科医不足

 お産を扱う病院や診療所が各地で急速に消えつつある。地方では車で1時間以上走らないと、産む場所を確保できない場合も増えた。過酷な勤務などが原因で産科医が激減しているためだ。奈良県大淀町では8月、分娩(ぶんべん)中に意識不明になった妊婦が19病院から転院を断られて死亡、大きな社会問題になった。危機的な状況にある産科医療をどうすれば立て直せるのか。地方病院の実情と、病院・診療所の連携や助産師の活用で苦境をしのぐ現場から、対策を探った。

産婦人科を巡る状況


 医療施設で働く医師総数が毎年3500人〜4000人増えている中で、産婦人科医は減少。厚労省の調査によると、04年度は1万163人で94年に比べ8%もダウンした。主要診療科の中で医師が減っているのは産婦人科と外科だけだ。高齢化も進み、産科婦人科学会員のうち50歳以上が全体の53%(外科学会では同40%)。30歳未満の若手産婦人科医はわずか5%で、女性が72%を占める。こうした事情に伴い、分娩施設が急減。同学会の調査(05年現在)では病院、診療所数が93年に比べそれぞれ29%、28%もなくなった。

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