このままでは大赤字必至。もともと九州場所の客の入りは悪いことで定評があるが、朝青龍騒動や時津風部屋の新弟子急死事件など、悪材料が相次いだ今年は特にひどい。ひとり横綱の白鵬と日本人力士の期待の若手、稀勢の里との好取組が組まれた4日目の観客数も3971人と、満員(9348人)のおよそ3分の1。前日に続いて2日連続の3000人台だった。
数年前、不入りでマス席のざぶとんカバーの白い色があまりにも目立ったため、ブルーに変えたが、今年はその不入り隠しのブルーですら目立ち、入り口で切符のモギリ担当の親方たちも「こんなにヒマな年も珍しい」とアクビをこらえるのに懸命。元気者の安馬も「塩を取りに行ったとき、上をみたら半分以上空席だった。さみしいねえ。これでは力も出ないよ」とボヤいている。
どうしたら、この閑古鳥が鳴いている空席を埋めることができるか。「相撲のない(幕下以下の)力士や仕事が終わった親方たちを空席に座らせればいいんだよ。見るのも勉強。枯れ木も山のにぎわいだ。親方だけで100人もいるんだから」と古参の親方はため息交じりに話した。
九州地方の慢性的な不景気や、相撲熱の低さを嘆く関係者もいるが、この日も、三役格行司の木村玉光が時天空に勝った朝赤龍に「朝青龍」と勝ち名乗りをあげたり、目玉の結びの一番が無意味で大味な張り合いから白鵬がモロ差しで寄り切るなど、肝心な土俵が気抜けしていてはどうしようもない。
大鵬が初優勝した1960年九州場所、福岡県八幡市(現北九州市)で祖母が孫の17歳の少年に殺される事件が起こった。間もなく自首した少年は「柏戸ファンのおばあちゃんが自分がファンの大鵬の悪口を言ったので殺した」と自白している。九州のファンだって熱気のこもった相撲を見せれば熱狂的になることを、大相撲関係者は肝に銘じるべきだ。
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