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文科省VS財務省 教職員増員めぐってバトル (1/2ページ)
このニュースのトピックス:いじめ問題
いじめ、学力低下、理不尽な要求をする保護者…。教育現場を取り巻く厳しい環境に対応しようと、文部科学省は来年度予算で公立小中学校の教職員約7000人の増員を要求している。教師が多忙で子供と向き合う時間を確保できない現状を、人手を増やすことで是正するのが狙いだが、行政改革法が施行され地方公務員の純減に取り組んでいる最中とあって、予算を握る財務省が反発。年末の予算編成に向け激しいバトルが繰り広げられている。
教職員の定数については、昨年6月施行の行革推進法で削減が決まっている。しかし、その後に教育三法が改正され学校現場に新たなポストが設けられたことなどから、文科省は今後3年間で2万1000人の教員を増やすことを計画した。
財務省を説得したい文科省は、さまざまなデータをもとに増員の必要性を主張している。日本の公教育支出の対GDP比は主要先進国に比べ3.6%で、先進国(G5)平均の4.9%より低いことを示すと、財務省は児童生徒1人当たりの支出額を算出、G5平均を上回ると反論する。
ただ、財務省にも教育現場に問題があるという認識はある。文科省の「教員勤務実態調査」では、昭和41年度の教員の月残業時間は8時間だったが、平成18年度は34時間に上っており、子供に向き合う時間が少ない現実がある。文科省は事務的な業務や生徒指導に時間がとられていると主張するが、財務省は事務のIT化で省力化が可能としている。さらに「文科省や都道府県教委などからの調査やアンケートに忙殺されている現実がある。文科省が先頭に立って改革を行い文書量を減らす努力をすれば、教員が子供に向き合う時間ができるはず」(主計局)と手厳しい。