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【石川】

悩める子と大人へ 教員ら ともに格闘歩み一冊に

2007年11月15日

発刊された教育実践集「愚直なる人権教育の営み」を手に「教師、親たちの参考になれば」と話す西谷会長=加賀市大聖寺馬場町で

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加賀市人権教育研究協議会

 加賀市の教職員らでつくる「加賀市人権教育研究協議会」(西谷重夫会長)は、子どもたちが抱える問題に向き合った教師の教育実践集「愚直なる人権教育の営み 子ども・授業を考える」(能登印刷出版部)を発刊した。西谷会長は「弱い立場にいる子どもと悪戦苦闘している教師、親たちの参考になれば」と話している。

 主に加賀市の小中高校でいじめや成績不振、家庭の問題などに悩む子どもたちに粘り強く立ち会った教師や元教師ら十八人の報告集で、二百七十四ページ。西谷会長と元中学校長の砂上昌一さんが編集した。

 授業で生徒が物事の本質に迫る質問をしたことをきっかけに議論し合い、学ぶ意欲を引き出した授業例や、障害のある子やいじめられていた子と向き合い、他の子どもの人間的な成長につながったケースなどが取り上げられている。

 子どもとともに教師も悩み、一緒に成長していく姿がうかがえる。

 本のタイトルにある「人権教育」は障害者や地域差別、在日外国人の問題だけでなく「多様な状況の中で孤立する子どもたち一人一人を励まし、大切にする教育を言う」(西谷会長)という。

 西谷会長は「今の社会や教育現場で、多くの子どもが追いつめられていると感じる。弱い立場の少数者をいかに大事にするかという問題は、本来の教育においてとても重要なこと」と訴えている。

 本は千九百五円(税別)で市販されている。 (林勝)

 

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