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いじめ 前年の6倍、12万件 文科省、調査方法を変更

2007年11月15日16時12分

 全国の学校で06年度に確認されたいじめは12万4898件にのぼることが、文部科学省が15日発表した「問題行動」の調査で分かった。05年度の約2万件から一気に約6.2倍に増えた。同省は増加の理由として、いじめの定義や調査方法を今回から変えたことや、学校側の姿勢の変化が大きいとみている。

 06年秋にいじめが社会問題化したことを受けて、文科省は、いじめの定義から「一方的に」「継続的」といった限定的な表現を削除。公立校に加えて国・私立校も対象としたほか、「発生件数」ではなく学校が知った「認知件数」を集計し、アンケートなどで子どもから直接聞く機会を設けることも求めた。

 その結果、小・中・高・特殊教育諸学校(現在は特別支援学校)の55%にあたる2万2159校で1件以上のいじめが確認された。文科省児童生徒課は「実数がすごく増えたとは言えない。いじめ問題にきちんと取り組んだ学校が多かったと考えている」としている。

 学校別にみると、小学校約6万件(05年度の約12倍)、中学約5万1000件(同4倍)、高校約1万2000件(同6倍)、特殊教育諸学校384件(同5倍)。1000人あたりの件数は8.7件で、85年度の7.6件を超え過去最多となった。

 都道府県別では、熊本で前年の約125倍となる1万1205件を記録。1000人あたりでは、熊本の50.3件が最多で、以下、(2)福井(36.2件)(3)岐阜(30.1件)(4)石川(26.7件)(5)大分(20.4件)と続く。熊本と最少の鳥取(2.1件)では、25倍の開きがあった。

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