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調査のコメントで浮き彫りになった「こころの病」の実態

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普通に働けるようになるのか不安

 そして,こころの病にかかった人の将来への不安は,非常に大きい。

■現在も治療中。いつになったら,元のように「普通に」働けるようになるのか非常に不安。(29歳,SE,ベンダー)

■現在,休職中(約5カ月)です。IT(というよりも,情報システム)が好きですし,まだ39歳なので,この業界で働き続けたいですが,あの修羅場には戻れそうにありません。JUASのような団体による提言,法の整備(ホワイトカラー・エグゼンプションなんてとんでもないです),労働基準局などによる外部監査の必須化など,大胆な改革が必要と思います。ただでさえ高齢化社会で生産年齢層の弱体化が起こるのに,こころの病で働けない,ある意味で労災でもあるのに救済も受けられないとなると,自分の未来,この国の未来はどうなってしまうのか?と疑問・怒りを感じます。(39歳,運用/管理,ユーザー企業)

■昨年9月に過重労働を原因とするうつ病診断が出て,休職しました。今年8月に復職し,現在残業規制を受けながら業務を行っています。システムの職場に復帰しましたが,SEとしての業務を行っていません。実際にSEとして復帰した際に,またうつ病が発症しないかという不安があります。また,一部の方には理解が得られず,冷たい態度をとる方もおり,人間関係に不安を感じています。医務室に専門の知識を持った看護師が常駐しており,精神的なサポートをしていただいています。しかし,部署からは毎年のようにこころの病で休職する人が出ており,直属の上司はともかく会社としての体制には非常に不安があります。また,看護師の方も再来年定年のため,その後のサポートについては自分だけでなく,会社全体の問題として不安があります。現時点でもコストカット重視から,人は減り業務は厳しい納期が求められており,本当に業務が回っていくのか心配です。(32歳,SE,ユーザー企業)

まだまだ偏見は消えていない

 研修などにより,こころの病に対する認識は,以前と比べると高くなった。それでも,「まだまだこころの病への偏見は消えていない」とするコメントは多かった。

■こころの病に対する,会社側の知識・理解が非常に乏しい。加えて,産業医にも知識・理解がなく,労働組合もあまり力を持っていない中,追い詰められてしまい,結局は退職させられることになった。今後,どのようにすればいいのか全く考えられない状態。ある程度の年齢を過ぎると,ITエンジニアとしての求人はプロジェクト・マネジャーなど,精神的負荷が高い職務ばかりだからだ。(39歳,SE,ベンダー)

■自分自身で「今の自分の状態はおかしい,正常にものごとを判断できない」と自覚して通院した経験があります。しかし,周囲には事実を告げるのは将来的に不利益になる雰囲気があり,理解され受け入れられる状況でもないと思っています。上司に説明しても,フレックスタイムで通院することに否定的で理解されませんでした。周囲,特に上司の理解がなくては回復するのはとても難しいものです。もっと多くの人が誰でもこころの病になり得ることを理解し,管理職はどのように接しフォローしなくてはならないか理解していなくてはならないと考えています。(46歳,管理職/経営者,ユーザー企業)

■会社はなにもしてくれない。周りは先入観で「引かれて」しまう。結局会社を辞めざるを得ない。それの繰り返しでもう疲れた。(32歳,保守/サポート,ユーザー企業)

■悩みではなく,意見ということから先に述べると,誰にでも起こり得ることであり,決して特殊なことではない,という認識が必要。悩みというか,苦言的なことを述べると,この病を患った者を「逃げ出した者」「情けない者」「さぼっている者」などと言う戯言を言っている輩が少なくない数で実際いる,という状況が何とも嘆かわしい。実際のところ,この病を患った者の方が,よほど健全,健常であり,周りでとやかく言っている輩のほうがよほど「不真面目」で「まともなことを行っていない」場合が多いように見受けられる。(37歳,SE,ベンダー)

接し方に悩む上司や同僚

 一方で,こころの病にかかった部下や同僚との接し方に悩む意見も多かった。

■うつは,回復期が難しい。職場で2年間休職して復職した部下がいるが,医師は「全快」と言っていても,体調を崩してダウンすることが多い。時によって風邪だったり,食あたりだったりする(出てきたときの様子を見ていると本当にそうです)のだが,根っこの部分にはうつの影響が残っているように見える。「直った」と言われているだけに本人もかわいそう。「周りが配慮する」ということは頭では分かっていても,仕事の重要なポイントでダウンするので,一緒にやっている者に大きな負荷がかかることになり,不満も出てくる。職場に「軽い仕事」が常にあるわけでもなく,対応は難しい。(52歳,管理職/経営者,ベンダー)

■確かにこころの病は本人にとって大変なことかもしれないが,他人にはどれだけつらいことなのか分からないので,頭では分かっていても仕事が忙しいときに長期で休まれると「ずる休みしてるだけなんじゃないのか」と考えてしまう。同僚で2人ほどこころの病で長期間休んだことのある人がいるが,病名が分からないので,仕事に復帰したときに彼らに対してどのように接したらいいのか分からない。性格的に,思ってることはズバッと言ってしまうので,「それが原因でまた休まれたらどうしよう」とかいろいろと考えてしまう。愚痴になっちゃうかもしれないが,去年の11月から長期で休んでおり4月に復帰した同僚は,数カ月お勉強期間で通勤していたが,プロジェクトに参加したとたんまた8月から休んでいる。会社がこころの病におおらかなのはいいことだけど,一緒に仕事してる一社員としては不満がある。(33歳,QA,ベンダー)

■よく病に倒れる人がいる部署です。ケア体制がなく,復帰のために出社後間もなく退社される方しかいません。何とかしたいと思いつつも,やはり「倒れるほうが悪い」という多数の意見に私も賛同してしまいます(倒れた人の分,自分に仕事が増えるので・・・)。(32歳,SE,ベンダー)

肉親のように,母親のように接する

 では,こころの病にかかった部下や同僚にどのように接すればいいのだろうか。そのヒントになりそうなコメントを2つ紹介しておこう。

■チームに2人ほど病気復帰の方がいます。こちらは接する際にはかなりのストレスがたまります。しかし,長く接しているうちに,共通する性格の特徴を感じ,対処していくうえで,少しずつ元気になっていくような感触を最近得ています。基本は暖かく接し,必要以上に干渉せず,だれすぎているときはこんこんと必要性を説得するようにしています。対応姿勢は,肉親のように,母親のようにでしょうか。そうすることで波はありますが,少しずつ必要な作業をこなすようになったと思えますし,気分的にも元気な日が増えたように思っています。(44歳,品質管理部門,ベンダー)

■システム開発(システム基本設計)で自信喪失のSEの部下が一時的にノイローゼになり,自殺寸前まで行ったので,じっくり事態の理解内容を聞いてやり,じっくり設計を手伝って,何とか開発プロジェクトの遅れを最小限に食い止めたことがある。(77歳,管理職/経営者,ベンダー)


次ページ  誰もが覗く「こころの病の淵」  

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(平田 昌信=ITpro  [2007/11/15]




Part1 うつ病の兆候を見つける (2007/10/30)
Part2 現場への復帰を手助けする (2007/11/07)
3割弱が「こころの病と診断されたことがある」 (2007/10/11)
第2回 悩みを理解してくれる「聞き手」を持つ (2007/04/02)
【初級】うつ病に負けない メンタルヘルスの必須知識を身に付けよう(1) (2006/05/18)
【初級】うつ病に負けない メンタルヘルスの必須知識を身に付けよう(2) (2006/05/25)
【初級】うつ病に負けない メンタルヘルスの必須知識を身に付けよう(3) (2006/06/01)
【初級】部下の「心の病」への正しい対処法 第1回 (2006/06/08)
【初級】部下の「心の病」への正しい対処法 最終回 (2006/06/29)

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