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調査のコメントで浮き彫りになった「こころの病」の実態

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孤独感がこころの病を引き起こす

 こころの病の要因として,コミュニケーション不足や孤独感を挙げるコメントも多かった。

■業務が細分化され,大きな仕事にチームで取り組むやり方が減り,各個人で業務が完結する場合が増え,その結果,孤独感に襲われ,思いつめることでこころの病を発症するケースが増えている。合理化,効率優先は会社の利益向上には欠かせないが,行き過ぎると社員のこころに異常をきたし,かえって非合理,効率低下となることを経営者には理解して欲しい。(42歳,保守/サポート,ベンダー)

■ITエンジニアは絶対にうつになりやすい。調整業務は多いが,事実的な決定権があることは少なく,責任のみをかぶせられるケースも多い。また,細かい作業や集中力が必要な作業も多く,非常に神経を使う。仕事の大部分が当事者のスキルによるので,事実上の業務負担が周囲に理解されないため,心理的に孤独になりやすい。(26歳,コンサルタント,ユーザー企業)

■周りではちょくちょくうつ病で会社に来なくなった人の話とかは聞きます。システム開発の仕事は誰とも話さず1日が終わることも少なくなく,孤独に陥っていく人が多いのではないでしょうか?もともと性格がオープンな人ならいいけど,内向的な人はそのまま自分の世界に入っていってしまって,うつ病などになってしまうのではないかと思います。ちょっと無理をしてでも他の人とのコミュニケーションを仕事中にとることが大事かなと考えて仕事をしています。(31歳,SE,ユーザー企業)

■誰にも相談できず,毎日深夜までパソコンに向かい,どれだけがんばっても,サポートや保守関係作業はやって当たり前と思われている。これで病まないほうが不思議。(39歳,プログラマ,ユーザー企業)

■この10年間うつ病で悩んでいます。会社の体制がフラットになることで上司が多忙になり,上司とのコミュニケーションがうまく取れなくなったように思います。また派遣社員の増加も本音を話せる友人が減ってしまっている原因になっています。10年前から会社からはほとんど信頼されなくなりました。非常に悲しいです。(40歳代,運用/管理,ベンダー)

不向きな仕事への異動がきっかけで発病

 もちろん,こころの病の原因は,過重労働や上司との関係,孤独感だけではない。やり遂げた仕事への報酬の少なさ,不向きな仕事への異動,社内いじめ,管理職への不適応など,様々だ。

■私の場合,何かをやり遂げたときの報酬(金銭だけでなく)が得られなかったと感じたとき,崩れていきました。成果主義がすべてだとは思いませんが,上司や会社は適正な報酬を与えられるよう努力するべきと思います。(33歳,運用/管理,ユーザー企業)

■私の場合は,向いていない仕事を断りきれない状況で与えられたことによります。不得意である対人コミュニケーションスキルが必要な企画系の営業支援でした。企画の経験もプレゼンの経験もないまま責任ある営業現場に投入されました。業種的にはイケイケドンドンな雰囲気で忙しく,同時期に子供が生まれたこともあり,変だなと思う間もなく倒れました。(30歳代,運用/管理,ユーザー企業)

■現在うつ症状の治療中です。会社の先輩のいじめで発症しました。勤め先は中小企業で,社則がつい最近作られたくらいなので,こころの病に対する体制など皆無です。実際,上司に相談したのですが,うまく丸め込まれて,先輩には何も注意せず私が我慢することで話が終わってしまいました。とても傷つきました。(33歳,プログラマ,ベンダー)

■技術者として自信はあるが,だんだん管理する側になっていく立場を考えたとき,他者を管理する自信もなく,やりがいも感じられない。管理職としての縮図となるプロジェクトについたときに,うつ的症状となり1カ月強休んでしまった。(28歳,SE,ベンダー)

まさか自分がかかるとは・・・

 読者の中には「自分はこころの病になんてかからない」と思っている人もいるかもしれない。しかし,体験者のコメントを見ると,「まさか自分がなるとは思ってもみなかった」という意見は多い。こころの病は,決して他人事ではないのだ。

■好きな仕事をやっていたし,やりがいも感じていたので自分がこころの病になるとは思ってもいませんでした。どんなに大変なときも乗り越えられる試練だと思っていました。ところがちょっとしたきっかけで心が折れてしまうという経験をしました。体調も崩し夜は眠れない,朝は起きられない,起きても会社に行けない,病院にも向かえない,という状況が1カ月くらい続きましたが,その時のリーダーが理解のある方だったので何とか立ち直れました。(37歳,運用/管理,ユーザー企業)

■私のまわりでは,こころの病は大流行中です。まさか自分が・・・と思っていましたが「うつ」と診断され,現在も投薬治療中です。仕事を変えなければ直らない・・・と思っております。(42歳,管理職/経営者,ベンダー)

本当につらいこころの病

 コメントでは,経験者にしか分からない,こころの病の「つらさ」を訴える声も多かった。

■某メーカー系SE会社で課長職の時に発症。なかなか理解してもらえない。外見は健康そのもの,タフネスそのもの。でも,心は病んでいる。これはつらい。「ずるしている」という視線は常に感じているし,敏感にもなっている。これはなおつらい。薬で治療しているが,薬が切れると・・・と思うと,非常に怖い。手に職があり,体力もあるのに,こころに病があると働きづらい。いつかはこの業界から抜けることも考えねば・・・。実際に自殺した人もいる。若いうちはよいが,中間管理職で人事考課,目標管理,売上ノルマ,その他もろもろ,ストレスの種だらけ。一部の技術職→マネージャー→経営者と生き残ったセンスの良い人以外は,生き残れない厳しい業界だと思う。(45歳,SE,ベンダー)

■こころの病は一度かかってしまうと,なかなか治りません。ほんとに恐ろしい病気です。生きるために精神安定剤が欠かせなくなってしまいます。すると,ミーティング中や仕事中に居眠りが多くなり,今度は自己嫌悪に陥ります。私の場合,その後いったん良くなっていたのですが,運悪く,直後に部署異動があり,自分の希望しない担当につけられました。かつ,私の事情など一切気にしないプロジェクト・マネジャーの嫌がらせのような行動に心を悩ませ,すぐに再発してしまいました。プロジェクト・マネジャーへの嫌悪感と自分の希望しない仕事,また,塩漬け状態で何年も同じ客先で働いている同僚を見て,将来への希望が見出せなくなり,退職の道を選びました。(31歳,SE,ベンダー)

■つらかったのは復帰後の上司の心無い言葉(「ご隠居生活はいつまでもできないぞ」)と,自信が回復しないことでした。上司との件は上位上司に相談し異動できたのですが,自信が全然回復しないし,体も思うように動かないのです。当時叱られ言われた言葉がトラウマとなってどこか頭の片隅にあり,3年たった現在も自信が戻っていません。これは自分自身の問題なので解決が困難です。今はこれが一番つらく,バリバリ作業できた過去の自分と現在とのギャップに苦しんでいます。(41歳,生産技術,ベンダー)

■うつ病は,本当につらい。なぜ自分が?との自問自答にはじまり,他人の目が気になり,職場での存在意義を見失うこともしばしば。仕事を休める環境であっても,回復時の地位は保証されず,ひどい目に会うのなら黙っておいたほうが得策との意思も働くが,さらに病気が進行すれば,何も考えられなくなり,家庭でも自分の居場所が分からなくなる。本当につらい病気。(40歳代,管理職/経営者,ユーザー企業)


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(平田 昌信=ITpro  [2007/11/15]




Part1 うつ病の兆候を見つける (2007/10/30)
Part2 現場への復帰を手助けする (2007/11/07)
3割弱が「こころの病と診断されたことがある」 (2007/10/11)
第2回 悩みを理解してくれる「聞き手」を持つ (2007/04/02)
【初級】うつ病に負けない メンタルヘルスの必須知識を身に付けよう(1) (2006/05/18)
【初級】うつ病に負けない メンタルヘルスの必須知識を身に付けよう(2) (2006/05/25)
【初級】うつ病に負けない メンタルヘルスの必須知識を身に付けよう(3) (2006/06/01)
【初級】部下の「心の病」への正しい対処法 第1回 (2006/06/08)
【初級】部下の「心の病」への正しい対処法 最終回 (2006/06/29)

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