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生活
ノロウイルス猛威の兆し 道内、一昨年の3倍ペース(11/15 08:15)ノロウイルスによる感染性胃腸炎の道内での集団発症が増加の勢いだ。十四日には集団発症の報告が千歳、江別、帯広の三保健所管内で相次ぎ、関係機関は予防のため手洗いを念入りに行うよう呼びかけている。一方で独自の予防策に知恵を絞る施設も出始めている。 ノロウイルス感染による発症は例年十月ごろから増えだし、十一、十二月ごろピークを迎える。道と札幌市のまとめによると、今年十月の道内での十人以上の集団発症は十三件、十一月(十四日まで)は二十四件と例年通り増加の傾向を見せ始めた。 これは、過去最も流行した昨年(十月四件、十一月五十八件)には及ばないものの、二○○五年(十月三件、十一月十一件)の三倍近いペースだ。 ノロウイルスは冬に多発する感染性胃腸炎の原因の多くを占める病原体。感染力は強く、感染者の吐しゃ物や便からも広がり、発症すると嘔吐(おうと)や下痢を繰り返す。昨年の大流行の原因は「日本人が抗体を持たない変異型ウイルスが広まったため」(国立感染症研究所の松野重夫主任研究官)との見方が一般的で、今季も感染者からは同型のウイルスが検出されているという。 また、札医大の藤井暢弘教授(感染・免疫制御医学)の最近の研究によると、自覚症状のない人でも一割程度がノロウイルスを保有していることが明らかになったという。同教授は「ノロウイルスが徐々に人間界に浸透し、感染のリスクが以前より高まっているのではないか」と指摘している。 発症すると高齢者は重症化するおそれがあるだけに、病院や老人施設は予防に真剣だ。昨年末に入所者の集団感染に見舞われた千歳市の介護老人保健施設「クリアコート千歳」は消毒液やエプロン、布などを袋に詰めた「消毒キット」を今月から施設内の各所に配備した。同施設の山田雅弘事務長は「職員のアイデアを形にした。教訓を生かし再発を防ぎたい」と話している。 |
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