交通事故で「脳脊髄(せきずい)液減少症」となり後遺症が残ったとして、東京都内の男児(12)と両親が加害男性らに損害賠償を求める訴えを15日までに東京地裁に起こした。医学的な診断基準が確立されていないことから、事故との因果関係について司法判断も分かれている。子どもに対する裁判例はとりわけ少なく、今回の裁判所の判断が注目されている。
脳脊髄液減少症は頭痛や目まい、手のしびれなどの症状が表れ、転倒や交通事故で引き起こされるケースが多いとされる。後遺症で苦しむ人は数十万人に上るとみられているが、厚生労働省の研究班が診断基準作りに着手している段階で、統一的な診断基準が確立していない。(18:21)