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地元対応できず神戸へ兵庫県、加古川に新拠点整備兵庫県加古川市別府(べふ)町の市立別府小2年、鵜瀬柚希(うのせゆずき)ちゃん(7)が自宅前で刺殺された事件で、柚希ちゃんは瀕死(ひんし)の重傷を負った後、現場から約30キロ東の神戸市須磨区の県立こども病院へ、救急車の収容から50分後に運び込まれていた。対応できる医療機関が地元になかったためだった。県は、「結果として搬送に時間がかかってしまった」と認め、「2009年度に加古川市に新たな受け入れ拠点を整備する」としている。 柚希ちゃんを救おうと、加古川東消防署の救急車が現場に到着したのは10月16日午後6時8分。通報から、2分後だった。救急隊員は、けがの状況から「外科の緊急手術ができる病院へ運ぶ必要がある」と判断。柚希ちゃんを引き継ぐため、神戸市中央区の県災害医療センターに医師の同乗するドクターカー出動を要請した。 救急医療機関は外来診察をする1次、入院や手術もできる2次、複数の診療科にまたがる高度な医療が可能な3次に分類されており、県内の3次は、同センターや姫路市の姫路循環器病センター、西宮市の兵庫医科大学病院など7病院。現場の約20キロ西にあり、最も近かった姫路循環器病センターには小児科や外科の専門医がいないため、受け入れができなかったという。 救急車や、柚希ちゃんの搬送を引き継いだドクターカーは、傷が深く、出血も多かったことから、3次への搬送を決定。「柚希ちゃんが子どもだったのでこども病院への搬送を決めた」としており、「最良の選択だった」と強調している。病院に着いたのは午後6時58分だった。 県医務課の担当者は「3次は、県内の人口約560万人に対して7か所あり、少ないという認識はない」と話すが、一方で、「地域間格差の是正はしなければいけない」として、09年度に行う県立加古川病院の新築移転に合わせて3次救急に対応する救急救命センターを新設するとしている。 救急医療に詳しい有賀徹・昭和大教授の話「医療はいわば地場産業で、地域で完結しなければならない。3次医療機関の充実はもちろん必要だが、自治体も医師会と地域の医療体制を改めて確認し、緊急時に迅速な搬送ができるよう、議論を深めるべきだ」 (2007年11月15日 読売新聞)
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