平成18年6月1日

平成18年度「電波の日・情報通信月間」記念中央式典における表彰

 総務省は、第56回「電波の日」(平成18年(2006年)6月1日)及び平成18年度「情報通信月間」(同年5月15日から6月15日まで)に当たり、記念中央式典において、情報通信の発展に貢献した個人及び団体並びに生活やビジネスの様々な場面における課題を解決する優秀なICTサービス・システム事例に対して表彰を行うこととしました。
 概要は下記のとおりです。

  平成18年6月1日(木)午前11時から帝国ホテルで行われる、平成18年度「電波の日・情報通信月間」記念中央式典において次の表彰を実施する。

  1.  「電波の日」総務大臣表彰(別紙1
     個人  4件
     団体  2件
  2.  「情報通信月間」総務大臣表彰(別紙2
     個人  5件
     団体  6件
  3.  「u−Japan大賞」総務大臣表彰(別紙3
     大賞  1件
     ライフ部門賞  2件
     ビジネス部門賞  2件
  4.  その他
     当日は「情報通信月間」総務大臣表彰に併せ、情報通信月間推進協議会会長(豊田章一郎:社団法人日本経済団体連合会名誉会長)から、情報通信の発展に貢献した個人及び団体に対して表彰を行います。(別紙4
     また、「u−Japan大賞」総務大臣表彰のほか、「審査委員特別賞」及び「審査委員奨励賞」が別途授与されます。(別紙5

(参考)
  • 電波の日
     昭和25年(1950年)に電波法、放送法及び電波監理委員会設置法が施行され、それまで政府専掌であった電波利用が広く国民に開放されたことを記念して「電波の日」を設け、国民各層の電波に対する科学知識の普及・向上を図るとともに、電波利用の発展に資することにしている。

  • 情報通信月間
     情報通信の普及・振興を図ることを目的として設けられたものであり、期間中、全国各地で情報通信に関する様々な行事を実施する中で、豊かな生活を実現する情報通信について広く国民の理解と協力を求めていくことにしている。

  • u−Japan大賞
     生活やビジネスの様々な場面における課題を解決するICTサービス・システム事例を蓄積し、ユビキタスネット社会における活用モデルとして広く普及啓発を図ることを目的として、総務省において本年3月に実施した「u−Japanベストプラクティス」の事例募集に対して応募のあった事例のうち、優秀な事例について表彰を行うもの。
(連絡先)  
 電波の日関係  情報通信政策局総務課    担当:松村課長補佐、椙山係長
  電話 03−52535713(直通)
  FAX 03−52535714
 情報通信月間・
 u-Japan大賞関係
 情報通信政策局総合政策課 担当:山碕統括補佐、瀧本係長
  電話 03−52535718(直通)
  FAX 03−52535721



別紙1

56回「電波の日」 総務大臣表彰


1 個人(4件) (敬称略:五十音順)
氏名 功績の概要
あきやま よしひさ  
秋山 喜久 74歳)

関西電力株式会社 代表取締役会長
関西経済連合会会長
 平成9年12月に電波監理審議会委員に任命されて会長代理として電波全般に関する重要事項の調査審議に参画し、その後、平成13年1月からは情報通信審議会会長として、情報通信審議会の円滑な運営に多大な貢献をした。
すぎうら あきら  
杉浦 62歳)

東北大学電気通信研究所 教授
 無線妨害波の規格に関する国際機関である国際無線障害特別委員会(CISPR)において、多様な電気製品や電子機器からの漏えい電波が無線通信や放送に妨害を与えることがないよう国際規格の策定に尽力するなど、安心して安全に電波を利用できる環境整備に多大な貢献を果たした。
だん  
須壽雄 67歳)

財団法人近畿移動無線センター
前理事長
 永年にわたり、財団法人近畿移動無線センターの評議員、理事長として移動体無線通信の普及発展に尽力するとともに、阪神大震災においては、災害復旧用としてMCA無線機を多数、自治体等に無償貸与し災害復旧に寄与し、MCA陸上移動通信の有用性を証明した。さらに800MHzメガヘルツ帯デジタルMCA陸上移動通信システムの開発に取り組み実用化するなど電波利用技術の発展推進に尽力した。
ひえだ ひさし  
日枝 68歳)

社団法人日本民間放送連盟
前会長
 社団法人日本民間放送連盟の会長を2期3年にわたり務め、放送事業者を取り巻く環境の改善に尽力し、放送倫理水準の向上に努める等、放送事業の質的向上及び公共の福祉の増進に貢献。
 また、「地上デジタル推進全国会議」(平成15年5月設立)に構成員として参画し、地上デジタルテレビジョン放送の開始時には陣頭指揮にあたり、地上デジタル放送の普及・推進に貢献。
 さらに、「ブロードバンド時代における放送の将来像に関する懇談会」(平成13年〜)の委員を務め、情報通信行政の進展に著しく貢献をした。



2 団体(2件) (敬称略:五十音順)
団体名 功績の概要
さつませんだいし
薩摩川内市

  もり たくろう
 (市長 卓朗)
 地域イントラネット基盤施設整備事業による地域情報化を推進するとともに、無線システムを利用した離島のブロードバンドネットワーク実証実験において様々なアプリケーションを通じた実証実験に協力し、システムの有効性や実用に向けた課題等の検討に積極的に参画する等、離島等の条件不利地域のブロードバンド化の促進に多大な貢献をした。
みなみそうまし
南相馬市

  わたなべ いっせい
 (市長 渡辺 一成)
 地域イントラネット回線を活用すると共に26GHzギガヘルツFWAを自治体が直接整備し、住民向けブロードバンドを展開しており、26GHzギガヘルツFWAという準ミリ波帯の電波を積極的に地域のデジタル・ディバイド解消に活用することで電波利用に貢献をした。



別紙2

平成18年度情報通信月間 総務大臣表彰


1 個人(5件) (敬称略:五十音順)
氏名 功績の概要
あきくさ なおゆき  
秋草 直之 67歳)

富士通株式会社
代表取締役会長
 世界情報基盤委員会フォーラム(GIIC)会長として、情報通信政策の推進に尽力されるとともに、情報通信技術の向上やアジア・ブロードバンド推進会議委員として、アジア・ブロードバンド計画の推進に寄与する等、我が国の情報通信の発展に多大な貢献をした。
すずき つとむ  
鈴木 75歳)

日本工業大学 教授
電気通信大学 名誉教授
 情報通信審議会海上無線通信委員会の主査として長年にわたり海上における航行の安全等の実現に向け、海上無線通信の高度化に尽力されたほか、不必要な電波の発射低減による電波の有効利用のための無線設備の技術的条件の確立に積極的に取り組まれるなど、我が国の情報通信の発展に多大な貢献をした。
つじ まさつぐ  
正次 60歳)

兵庫県立大学大学院 教授
大阪大学 名誉教授
 情報通信審議会(電気通信事業部会)委員を務め、電気通信分野における競争政策の推進に尽力されたほか、情報の経済学の分野の研究活動や地域情報化の推進に従事されるなど、情報通信の発展に多大な貢献をした。
ねもと よしあき  
根元 義章 60歳)

東北大学大学院 教授
 多年にわたり、情報通信審議会委員及び総務省独法評価委員会専門委員を歴任され、昨年は研究開発戦略委員会主査としてユビキタスネット社会に向けた研究開発ビジョンのとりまとめに尽力されるとともに、現在も有線放送部会長としてその職責を果たされるなど、我が国の情報通信の発展に多大な貢献をした。
むらかみ てるやす  
村上 輝康 60歳)

株式会社野村総合研究所
理事長
 「ユビキタスネット社会の実現に向けた政策懇談会」座長として、ユビキタスネット社会の実現を目標とした「u−Japan政策」の取りまとめに尽力されたほか、IT戦略本部評価専門調査会委員、情報通信審議会委員等を歴任する等、我が国の情報通信の発展に多大な貢献をした。



2 団体(6件) (敬称略:五十音順)
団体名 功績の概要
いちかわし
市川市

  ちば みつゆき
 (市長 千葉 光行)
 地域の防犯パトロールと連携し、犯罪者や不審者等の情報を登録者にメールで配信する「いちかわ安心e・ネット」や、いつでも、どこでも、誰でも市の情報入手や施設予約ができるよう、インターネットやコンビニの情報端末を利用した「360+5」情報サポートの他、携帯電話やパソコンのメールで登録者にアンケートや情報を発信する「e−モニター制度」など、先進的な取組により地方情報化の進展に多大な貢献をした。
うさぎ ぷろじぇくと
USAGI プロジェクト

  むらい じゅん
 (プロジェクトリーダ 村井 純)
 世界に先駆けて、次世代インターネットプロトコルIPv6のオープンソース環境下における利用技術の研究開発に産学連携により取り組み、その成果の内外への公開を通じて、ユビキタスネット社会の実現に資する技術であるIPv6の普及推進に多大な貢献をした。
かぶしきがいしゃ どりこむ
株式会社 ドリコム

  ないとう ゆうき
 (代表取締役  内藤 裕紀)
 情報の流通を円滑にするツールとして期待されているブログサービスの開発をいち早く行い、法人ユーザ向けのブログソリューションサービス及び一般ユーザ向けのブログサービスを提供するなど、ブログの開発及びその普及を通じて、情報通信の利用促進に多大な貢献をした。
まいくろそふと せきゅりてぃ れすぽんす せんたー
Microsoft Security Response Center

(Microsoft Corp.Vice President
  べん ふぁてぃ
  Ben Fathi)
 日本において、極めて大きな情報セキュリティ上の問題となっている情報漏えいを引き起こすコンピュータウィルスについて、当該ウィルスは日本国内でのみ流行している中、その解決のため、無償でウィルス駆除ツールを作成し、電気通信事業者と連携して効果的に配布し、情報漏えい被害の縮減に多大な貢献をした。
みたかし
三鷹市

  きよはら けいこ
 (市長 清原 慶子)
 市民、教育・研究機関、企業、行政との「民学産公」の協働による「あすのまち・三鷹」推進協議会の設立など、地域情報化に全地域的な取組を展開し、国の実証実験にも積極的に参画しているほか、学校教育や市民活動でのICT活用等先進的な取組等により、地域の情報化の普及・進展に多大な貢献をした。
わせだだいがくこくさいじょうほうつうしんけんきゅうせんたー
早稲田大学国際情報通信研究センター
  まつもと けんきゅうしつ
  松本 研究室

  まつもと みつじ
 (教授 松本 充司)
 波長1.5ミクロン帯のレーザ光による双方向光無線通信システムを研究開発し、世界初となる10Gbpsの超高速・大容量かつ高品質の光無線通信を実証したことにより、光ファイバ通信と同等の光無線通信を実現させ、我が国の情報通信技術の発展に多大な貢献をした。




別紙3

u−Japan大賞 総務大臣表彰


1 大賞(1件)  
サービス・システム名 概要
「街角見守りセンサーシステム」
(松下電器産業株式会社)
 ランドセルに取り付けたICタグと、学校や街中の見守りノードで登下校中の児童の様子を簡単に見守ることが出来るシステム。機能としては、児童の通過情報の提供やメール配信、出席簿の自動作成、照明灯の調光制御機能を具備。なお、平成18年2月20日より大阪府等が支援する社会実証実験へシステムを提供。



2 ライフ部門賞(2件) (五十音順)
サービス・システム名 概要
「ライフログ簡単登録サービス」
(KDDI株式会社)
 携帯端末と宅内のPCとを連携したサービスで、携帯端末に実装されたセンサーを利用してユーザのアクションに応じて位置情報やバーコードを取得し、PCでは関連する情報を収集し自己管理ツールとしてそれらを自動でブログ化するサービス。
わーぷ びじょん
Warp Visionを用いた遠隔医療パッケージ」
(エヌ・ティ・ティ レゾナント株式会社、フィンガルリンク株式会社)
 高品質映像会議システム「Warp Vision」を応用し、ブロードバンド通信を活用して顕微鏡を遠隔操作しながら動画像による遠隔病理診断を可能とするシステム。病理医が常駐していない地方病院においての高品質な医療サービスの提供、また、従来の静止画像利用より簡単な操作と短時間での診断を実現。



3 ビジネス部門賞(2件) (五十音順)
サービス・システム名 概要
RFIDを使った部品引き取りシステム」
(富士通株式会社)
 製品組立て工場と部品製造工場の間で行っている部品引き取りシステムにおいて、RFIDタグを貼り付けたリライタブルシートをカンバンとして使用し、カンバンデータを電子的に送信することでカンバンの戻しをジャスト・イン・タイムにするシステム。これにより部品在庫を半分以下にすることに実現。
SKJ即時配信システム」
SHE KNOWS JOURNAL株式会社)
 インターネットによる動画や音声情報を誰でも、いつでも、手軽に、そして低コストで配信できるように開発された映像配信システム。スタジオ設備から映像配信設備まで1人で、短時間に操作すること、また、省スペース(ホテルの一室)でのシステム対応が可能。




別紙4

平成18年度情報通信月間 情報通信月間推進協議会会長表彰


1 志田林三郎賞(個人1件) (敬称略)
氏名 功績の概要
やまもと よしひさ  
山本 喜久 55歳)

国立情報学研究所 教授
 量子光学を用いた先駆的研究を推進し、単一光子光源による量子暗号通信技術の実証的研究、原子核スピンを利用した量子情報処理技術の基盤研究等において世界をリードする数々の業績を挙げ、量子情報通信分野の飛躍的進歩に多大な貢献をした。



2 情報通信功績賞
  1)個人(3件)
(敬称略:五十音順)
氏名 功績の概要
あいだ ひとし  
相田 48歳)

東京大学大学院 教授
 電気通信番号に関する研究会のワーキンググループのリーダーとして、電気通信番号の在り方やIP電話の番号などについて、その取りまとめに尽力し、電気通信番号の適正な利用、IP電話の普及など、我が国の情報通信の健全な発展に多大な貢献をした。
くまだ じゅんじ  
熊田 純二 57歳)

全国地上デジタル放送推進協議会技術部会分科会小規模局検討推進TG主査
 全国地上デジタル放送推進協議会の発足当初より関係部会、ワーキンググループで委員を歴任し、特に技術的見地から先導的役割を果たし、デジタル放送の全国展開に尽力されたほか、ITU−R SG6(放送業務全般)では副議長、放送業務委員会WG主任を務める等、我が国の放送技術等の国際標準化にも多大な貢献をした。
たなか かつみ  
田中 克己 54歳)

京都大学大学院 教授
 次世代インターネット検索エンジンの開発など、インターネット・コンテンツの高度な利活用技術の研究等に取り組む他、「デジタル資産活用戦略会議」のウェブ情報利活用ワーキンググループのリーダーとして、ウェブ情報のアーカイブ化に際しての技術課題等を整理・検討するなど、我が国の情報通信の発展に多大な貢献をした。



  2)団体(2件) (敬称略:五十音順)
氏名 功績の概要
どくりつぎょうせいほうじんうちゅうこうくうけんきゅうかいはつきこう
独立行政法人宇宙航空研究開発機構

おいせっつ ぷろじぇくとちーむ
OICETS プロジェクトチーム

  あらい かつよし
(プロジェクトマネージャ 荒井 功恵)
 昨年8月に打ち上げた衛星「きらり」を使用して、レーザー光による双方向の光衛星間通信実験及びNICT地上局と低軌道周回衛星間の光通信実験をいずれも世界で初めて成功させ、宇宙開発及び宇宙利用を支える基盤技術の更なる発展に向け多大な貢献をした。
しゃだんほうじんでんきつうしんじぎょうしゃきょうかい
社団法人電気通信事業者協会

あんぜん しんらいせいきょうぎかい
安全 信頼性協議会

  とうほう ゆきお
(会長 東方 幸雄)
 災害時の電話の利用方法等の周知活動をはじめ、災害伝言板サービスや災害用伝言ダイヤルサービスの利便性向上のため、機能・操作方法の共通化等についての検討や「災害時光ファイバ緊急相互融通スキーム」の実施等を通じ、重要通信の確保に多大な貢献をした。




別紙5

u−Japan大賞 審査委員賞


1 審査委員特別賞  
サービス・システム名 概要
「おサイフケータイ」
(株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ)
 非接触ICのiモード FeliCaICカードを世界で初めて、携帯電話に搭載。iモードプラットフォームの利用により、ICカード上のみで提供されてきた交通機関決済、電子マネー、個人認証などの各サービスを携帯電話において実現化。



2 審査委員奨励賞  
サービス・システム名 概要
「照明光通信技術を用いたユビキタス位置情報のサービスシステム」
(松下電器産業株式会社、松下電工株式会社)
 照明器具はビル内、地下街など人々が生活する空間のいたるところに設置されていること(ユビキタス)に着目し、位置情報を発信する照明と利用者が携帯する受光端末との組み合わせにより、歩行者ナビゲーション、避難誘導、広告配信、施設案内などさまざまなサービスアプリケーションを提供するシステム。これにより、屋内から屋外につながるロケーションプラットフォームシステム構築が可能。